今週の金融市場の動き総括、7月21～25日

今週は重要な経済指標の発表予定が少なく、比較的平穏な1週間になると予想されていた。しかし23日朝方に日米が貿易問題で合意したと発表されたことで、懸念が後退して株式市場大幅高の週となった。

S&P500は連日最高値更新

　今週は重要な経済指標の発表が比較的少なかった。その中で発表された経済指標を見ると、まず21日月曜にはオーストラリアの第2四半期（4～6月期）の消費者物価指数が発表され、予想の前年同期比＋2.8％を下回る＋2.7％だったが、前期の＋2.5％を上回りインフレ再燃の兆しを示していた。

　24日木曜にはアメリカの7月製造業・サービス業PMIが発表され、製造業の方は予想の52.7に対し発表は49.5と予想を下回り、サービス業は予想が53.0、結果が55.2と予想を上回った。

　政策金利はトルコ、ユーロ圏、ロシアの発表があった。24日に発表されたトルコの政策金利は、予想の2.5％利下げより幅が大きい3％利下げで政策金利は43％とされた。同じ日にはユーロ圏が発表し、予想通り3つある政策金利が全て据え置きとされ、最重要金利は2.15％のまま据え置かれた。そして25日金曜にはロシアの政策金利が発表され、予想通り2％の利下げが発表されて金利は18％とされた。

　しかし今週は指標や金利以上に市場を大きく揺るがす新たな材料が出た。日本時間の23日水曜朝に、トランプ大統領が「貿易交渉で日本と合意した」と発表した。これがアメリカが他国・地域とも合意できるとの見通しにつながり、その後株式市場は全面高相場となった。

　この合意は特に日本の株式市場にとって買い材料となった。21日が海の日で休場した東京株式市場では22日火曜には日経225平均は小幅安で終了したが、合意発表があった直後の23日水曜には1,396円高と歴代10位の上昇幅となる暴騰を記録した。

　翌24日も655円高と大幅続伸して1年ぶりに42,000円台をつけたものの、25日には370円安で終了。だが週足では1,637円の大幅高だった。

　NY株式市場も大幅上昇の1週間となり、ダウ工業平均は21・22日と小幅推移した後、23日には507ドル上昇。24日には316ドル下落したものの25日は208ドル高で終わり、週足では559ドル高だった。またS&P500指数とNASDAQ総合指数はダウ以上の勢いで上昇し、先週17日も史上最高値を更新したS&P500指数は5日間全てで最高値を更新。NASDAQ総合指数も22日以外の4日間で最高値を更新した。

　為替市場を見ると、週明けは1ドル＝148円台から始まった米ドル/円は週前半には円高・米ドル安が進行。そして23日朝に発表された日米貿易合意も円買い材料となり、24日朝方には一旦145円台をつけた。しかしそこで下げ止まりその後は円安が進行し、週の終値は147円台後半だった。

　来週は日米などの政策金利が発表される。日本時間31日木曜未明に発表される予定の米政策金利は据え置きが予想されているが、トランプ大統領は利下げを求めており一部には利下げの予想もある。

　同じ日には日銀の政策金利発表があり、こちらも基本的には据え置き予想だが一部で利上げの予想もある。さらに来週にはアメリカの7月ADP雇用統計と7月雇用統計の発表があり、かなり材料が多い週となりそうだ。