今週の金融市場の動き総括、7月14～18日

今週は日米のインフレ指標が発表され、どちらもインフレが根深いことを示す数字だった。一方米議会が歴史的な仮想通貨規制法案を可決して成立が確実となり、それを受けて仮想通貨市場は堅調な1週間となった。

ビットコインが最高値更新

　今週は日本とアメリカのインフレ指標が発表された。15日火曜に発表されたアメリカの6月消費者物価指数（CPI）は、予想の前年同月比＋2.6％を上回る＋2.7％で、前月より0.3ポイント上昇していた。また18日金曜に発表された日本の6月消費者物価指数は、生鮮食商品を除いた数字で予想の前年同月比＋3.4％を下回る＋3.3％だった。

　日本は前月の3.7％を下回ったとはいえ依然として高く、またアメリカも前月より高まっており両国のインフレの根深さが明らかになった。

　今週は他国のインフレ指標の発表もあり、15日に発表されたカナダの6月消費者物価指数は予想通り前年同月比＋1.9％だった。16日水曜に発表されたイギリスの6月消費者物価指数は、予想より0.2ポイント高い前年同月比＋3.6％だった。

　今週は政策金利の発表はなかった。先週末にEUへの30％関税など新たな関税がいくつか発表されたことでトランプ政権の関税リスクは残ったものの、株式市場を大きく揺るがすほどではなかった。

　NYダウは週明け14日には88ドル上昇した後、翌15日に発表された6月インフレ率が予想を上回ったことでFRBによる早期利下げ観測が後退してこの日は436ドル下落。その後16～18日の3日間は小幅な動きに留まり、週足では29ドルの小幅安だった。

　NY株式市場はさえない動きだったものの、15日発表の米6月CPI後は為替が円安に動いたことが東京株式市場にとって買い材料となった。日経225平均は週明け14日には110円安と小幅下落したが、その後は少しずつ上昇して18日には場中に節目の40,000円を回復。この日の終値は40,000円を維持できなかったが週足では250円高だった。

　また今週は仮想通貨市場で大きな材料が出た。米議会で先月上院を通過し下院で審議されていた歴史的な仮想通貨規制法案が、今週になって下院を通過する見通しが濃厚になってきた。そして18日には実際に下院を通過し、あとはトランプ大統領の署名で成立が確実となった。

　そのため今週の仮想通貨市場は堅調な1週間となり、ビットコイン（BTC）は週前半に一時1,800万円をつけて史上最高値を更新。イーサリアム（ETH）は14日朝時点の44万円から週を通して上昇し、20日日曜には14日時点より25％以上高い56万円をつけた。リップル（XRP）も14日朝時点の420円から大幅上昇し、18日朝には一時540円をつけて史上最高値を更新した。

　来週はユーロ圏、トルコ、ロシアの政策金利発表がある。そして今週末の20日には日本で参院選があり、すでに自公与党の過半数割れが確実な情勢になっている。21日の東証は休場だが、参院選の結果は週明けの為替市場や22日火曜の東証に一定の影響が出ると思われる。