先週後半に浮上してきた米の金融不安は、今週になるとクレディ・スイスの株価暴落を通して欧州にも拡大した。そのため今週は円高が進行し株式市場はさえない動きが続くなど、金融市場にも多大な影響が出た。
今週はいくつか重要な経済指標が発表された。14日火曜に発表されたアメリカの2月消費者物価指数は、予想通りの前年同月比+6.0%で前月より低下した。また食料品を除いたコア指数も予想通りの前年同月比+5.5%だった。
翌15日水曜にはアメリカの2月卸売物価指数が発表され、予想を0.8ポイントも下回る前年同月比+4.6%でインフレの低下傾向が鮮明になった。また同時に発表された米2月小売売上高は、予想より0.1ポイント低い前月比0.4%減だった。
17日金曜にはユーロ圏の2月消費者物価指数が発表され、予想通りの前年同月比+8.5%とこちらはインフレ率の高止まりが続いている。
政策金利は16日木曜にユーロ圏が発表し、金融不安が高まる中予想通りの0.5%利上げを発表し最重要政策金利は3.5%とされた。
そして今週は、先週10日にアメリカのSVB(シリコンバレー銀行)が破綻したことで始まった金融不安がさらに拡大した。今週15日には欧州株式市場でスイス銀行大手のクレディ・スイスの株価が大暴落し、欧州にも拡大。17日にはさらにSVBの親会社が米連邦破産法の適用を申請した。
金融不安が広がったものの、NY株式市場はあまり下がらなかった。ダウ工業平均は連日上げと下げを繰り返し、週足では48ドルの小幅安で終了した。
為替市場では米金融不安を受けて終始円高・米ドル安が進行した。今週明けは1ドル=134円台だったが、その後円高が続き16日には約1ヶ月ぶりの131円台に。今週終了間際には16日よりさらに20銭ほど円高になった。
円高の進行のため東京株式市場はNY市場より軟調な展開となった。日経225平均は週明けから下げが続き、13日月曜は311円、14日は610円も暴落。15日は小幅反発したものの、16日は場中に一時600円近く下げて26,000円台をつけたがその後反発。週足では810円安だった。
先物市場では欧米の金融不安から景気後退と原油需要の減退懸念が高まり、NY原油が1週間を通して下落。週明け時点では77ドル付近だったものの、週の終盤には2021年12月以来となる65ドル台をつけた。またNY天然ガスも原油とともに軟調な1週間となった。
世界的な金融不安は「逃避資産」としての金の価値を高めたため、今週は金が大幅高となった。先週を1,870ドルで終えたNY金は、週前半から上昇。17日には特に急激に上昇し、終値は2,000ドルに接近した。
来週はアメリカ、イギリス、スイス、トルコ、ノルウェー、ブラジルなど政策金利の発表が多い。今年に入って世界的なインフレが落ち着いてきており、全て据え置きか0.25%の小幅利上げが予想されている。特にアメリカは0.25%の予想が多いが据え置き予想もあり、また先週の金融不安台頭前は0.5%利上げ予想も多かった。実際にどうなるかは発表されてみるまでわからない。
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