今週の金融市場の動き総括、2月14～18日

今週は日本の第4四半期GDPや1月CPIが発表された。またトルコの政策金利発表もあった。しかしそれら以上に、ロシアのウクライナ侵攻懸念に市場が敏感に反応し続けた1週間だった。

NYダウは週足659ドル安

　今週は日本の重要な経済指標が2つ発表された。14日月曜に発表された第4四半期GDP速報値は、予想の前期比年率5.8％増に対し発表は5.4％増だった。予想より低いとはいえ、昨年10～12月は感染が落ち着いていたためにかなりの増加となった。

　また18日金曜には1月消費者物価指数が発表され、生鮮食料品を除いた数字で予想の前年同月比＋0.3％に対し発表は＋0.2％だった。小幅とはいえプラスであり、昨年9月から5ヶ月連続上昇となった。

　それ以外の指標としては、15日火曜にユーロ圏の第4四半期GDP改定値が発表され予想と同じ前年同期比4.6％増だった。16日水曜にはアメリカの1月小売売上高が発表され、予想の前月比2％増に対し発表は3.8％増と好調だった。

　政策金利は17日木曜にトルコが発表し、予想通り14％のまま据え置きだった。トルコの政策金利は1月から2ヶ月連続で据え置かれた。

　しかし今週はこれら以上に、ロシアのウクライナ侵攻懸念に市場が敏感に反応した。ロシア軍がウクライナ国境に集まったりウクライナで砲撃があるなどのニュースが流れるとリスク回避の動きが拡大。反対に侵攻懸念が後退するようなニュースがあるとリスク選好ムードが復活した。

　全体的に見るとウクライナ侵攻懸念は高まっており、そのため株式市場は軟調な1週間だった。先週の木～金曜の2日間で1,000ドル以上下げたNYダウは、週明け14日も172ドル下落。15日になるとロシア軍がウクライナ国境から一部撤収と発表されて422ドル上昇したものの、その後3日間は下げが継続。特に17日は622ドル安と今年最大の下げとなり、週足では659ドル安だった。

　東京市場の日経225平均も同様で、週明け14日はいきなり617円安と暴落。15日には214円続落して27,000円を割ったが、翌16日は前日のNY株高を受けて595円暴騰。17～18日も下げで終わり週足では574円安だった。

　先物市場ではウクライナ情勢を受けて15日未明にNY原油が2014年以来の95ドル台まで上昇。だが米とイランの核合意復帰交渉が続けられており、それが原油売り材料となってその後は緩やかな下げが継続。週の終値は90ドル付近だった。

　仮想通貨市場を見ると、14日朝時点では480万円台だったビットコインは週前半には上昇し一時510万円台をつけた。しかし17日夕方頃から下げ始め、週末の20日日曜には一段と下落し430万円台と14日時点より低い水準まで下がっている。

　来週はアメリカの第4四半期GDP改定値や、1月個人消費支出が発表される。またニュージーランドの政策金利発表もあり、0.25％の利上げが予想されている。しかしロシアのウクライナ侵攻懸念は今週から引き続き市場に大きな影響を及ぼす要因となるであろう。