今週は年末の政策金利発表ラッシュ2週目で、日本をはじめとする6ヶ国・地域が発表した。それらの発表内容はほぼ予想通りだったが、日銀は利上げを発表したにも関わらず植田総裁が今後の追加利上げに慎重な姿勢を見せたことで為替は円安に動いた。
今週は先週に続き年末の政策金利発表ラッシュの週であり、先週のアメリカの発表に続き今週は日本、イギリス、ユーロ圏などが発表した。
その中でも最も注目度が高かった日銀の政策金利発表は19日金曜に行われた。高市政権になってから急激な円安が進行しているため今回は利上げが発表されることがほぼ確実視されており、その予想通り政策金利が0.25%引き上げられて約30年ぶりの高水準となる0.75%にされた。
しかしその後行われた植田総裁の会見では来年以降の追加利上げに慎重な姿勢が示されたことで、為替レートは利上げ時のセオリーとは逆に円安に動いた。
今週の日本以外の政策金利発表を見ると、18日木曜に発表されたスウェーデンの金利は予想通り1.75%のまま据え置き、同じ日に発表されたノルウェーの政策金利は予想通り4%のまま据え置き、同じ日に発表されたイギリスの政策金利は予想通り0.25%の引き下げで3.75%に、直後に発表されたユーロ圏の政策金利は予想通り2.15%のまま据え置き、そして19日未明に発表されたメキシコの政策金利は、予想通り0.25%の利下げで金利は7%とされた。
一方今週発表された主な経済指標を見ると、16日火曜には米政府機関閉鎖のため通常より遅れた11月米雇用統計が発表され、予想の前月比5万人増を上回る6万4000人増だった。同時に発表された米11月小売売上高は、予想の前月比0.1%増を下回る変動なしだった。
17日水曜にはユーロ圏の11月消費者物価指数改定値が発表され、予想の前年同月比+2.2%を下回る+2.1%だった。18日にはオーストラリアの第3四半期GDPが発表され、予想通りの前年同期比1.3%増だった。そして同じ日にはアメリカの11月消費者物価指数が発表され、予想を0.4ポイント下回る前年同月比+2.6%だった。
今週の為替市場では日銀利上げ見通しを受けて週前半は円高・米ドル安が進行し、週明けの1ドル=156円から週半ばには154円台まで下落。週後半はまた少し円安に動いて迎えた日銀の金利発表は予想通り0.25%の利上げだったものの、その後植田総裁が会見で来年以降の利上げに慎重な姿勢を見せると急激な円安が進行。158円近くまで上昇して今週を終えた。
NY株式市場ではAIバブル懸念などを受けて先週後半頃から軟調な地合となり、今週もダウ工業平均は週明け15日から41ドル、302ドル、228ドルと小幅ながら3日連続下落。しかしその後は18日に65ドル、19日に183ドル上昇して週足では324ドル安だった。
東京株式市場も週前半は日銀利上げ見通しを受けた円高やAIバブル懸念による半導体銘柄の売りのため軟調な展開となった。日経225平均は15日に668円安、16日に785円安と2日連続大幅下落。17日は多少反発したものの18日も511円下落。だが日銀発表があった19日には505円高と今週初めて力強い上昇が見られ、週足では1,329円安と4桁下落となった。
来週は欧米がクリスマス休暇に入り、24日水曜から26日金曜までの3日間のうち最低2日は市場が休場となる国が多い。しかし22日月曜にはイギリスの第3四半期GDP改定値、23日火曜にはアメリカの第3四半期GDPなどまだ今年重要な経済指標の発表が残っている。いよいよ2025年も残り10日となった。
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