今週から年末の政策金利発表ラッシュが始まり、今週は米をはじめとする6ヶ国が発表した。米政策金利発表は予想通り0.25%の利下げで、全体的に見て他国の発表も大きな波乱はなく終わった。
今週から来週の2週間は毎年年末にある各国の政策金利発表ラッシュとなり、1週目の今週はアメリカをはじめとする6ヶ国が金利を発表した。
最も注目度が高かったアメリカの政策金利は11日木曜未明に発表され、予想通り3回連続の0.25%利下げで政策金利は3.5~3.75%とされた。同時に発表された参加者による来年以降の金利予想では、来年の利下げ見通しの中央値は「1回」、2027年も同様に「1回」だった。また同時に発表された声明やパウエル議長の会見では、来年以降の利下げは「データ次第で都度決定する」との姿勢が示された。
米以外に発表された政策金利をまとめると、9日火曜にはオーストラリアが発表して予想通りの3.6%据え置き、10日水曜にはカナダが発表して予想通り2.25%の据え置き、11日未明にはブラジルが発表して予想通り15%の据え置き、同日夕方にはスイスが発表して予想通り0%の据え置き、そして同日夜にはトルコが発表し、予想の1%利下げを上回る1.5%利下げが発表されて政策金利は38%とされた。
一方今週発表された主な経済指標を確認すると、8日月曜朝には日本の第3四半期GDP改定値が発表され、予想の前期比年率2.0%減を下回る2.3%減で、速報値時点の1.8%減よりマイナス幅が拡大していた。12日金曜にはイギリスの10月鉱工業生産が発表され、予想の前月比1.0%増を上回る1.1%増だった。
米FRBが予想通りの利下げと同時に短期国債の購入開始も発表したことがNY株式市場にとって買い材料となり、発表後は全面高相場となった。今週のダウ工業平均は8日月曜に215ドル、9日に179ドルとまず2日間下落したが、10日の場中にFRBが利下げと短期国債購入を発表したためこの日は497ドル高で終了。
翌11日になっても買いは続き646ドル上昇した後、最終日である12日は245ドル安で終了。週足では504ドル高だった。
しかし短期国債の購入発表によって為替市場では円高が進行したため、東京株式市場にとっては買い材料にはならなかった。日経225平均は8日に90円高、9日に74円高、10日に53円安と小幅推移が続いた後、FOMC発表後の11日には454円下落。だが12日にはその反動で687円上昇し、週足では345円高だった。
為替市場を見ると、先週に日銀の利上げ見通しから米ドル/円は1ドル=155円台前半から今週をスタートし、週明け8日にはやや円高に動き一旦154円台をつけた。
だがその後は円安が進行して翌10日未明までには157円に接近。10日未明から11日の米政策金利発表時までは156円台で推移した後、米利下げと短期国債の購入政策が発表されるとその後は円高・米ドル安に動き11日夜には再度154円台をつけたが12日には反発して今週の終値は155円90銭だった。
来週は年末の政策金利発表2週目で日本、イギリス、ユーロ圏などが発表する。19日金曜の日銀利上げ発表はほぼ既定事項となっているが、それだけに利上げが発表されないとサプライズで金融市場が大変動することもありえる。
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