今週の金融市場の動き総括、11月17～21日

先週に米政府機関閉鎖が解除されたが、それによってFRBの早期利下げ観測が後退。利下げ観測後退で先週後半以降は株式市場の地合が悪化し、今週はボラティリティの高い1週間となった。また仮想通貨市場も大きく下落した。

日経は4桁変動が3日間

　先週の13日木曜に43日間続いた米政府機関の閉鎖がついに解除された。閉鎖解除によって停止していた米経済指標の発表が再開され、9月雇用統計は大幅に遅れて今週20日木曜にようやく発表された。

　以上の背景を踏まえて今週発表された主な経済指標を見ると、17日月曜には日本の第3四半期GDPが発表され予想の前期比年率2.4％減に対し発表は1.8％減だった。マイナス幅が予想より小さかったとはいえ、トランプ関税の影響で6四半期ぶりのマイナス成長に転落した。同じ日にはカナダの10月消費者物価指数が発表され、予想通りの前年同月比＋2.2％だった。

　19日水曜にはイギリスの10月消費者物価指数が発表され、予想の前年同月比＋3.5％を上回る＋3.6％だった。同じ日にはユーロ圏の10月消費者物価指数改定値が発表され、予想通りの前年同月比＋2.1％だった。

　20日には遅れた米9月雇用統計が発表され、予想の前月比5万人増を大きく上回る11万9000人増だった。そして21日金曜には日本の10月消費者物価指数が発表され、生鮮食料品を除いた数字で予想通りの前年同月比＋3.0％だった。

　政策金利は南アフリカが20日発表したのみで、予想通り0.25％の利下げで金利は6.75％とされた。

　先週の米政府機関閉鎖解除によって次回・12月のFOMCにおける追加利下げ観測が後退し、先週後半のNY株式市場は下落。そのまま今週も軟調な地合が続いた。

　ダウ工業平均は17日に557ドル、18日に498ドルと週明けから連日下落し、19日は小幅反発したがエヌビディアの決算発表直後となった20日も386ドル安。この日の終値・45,752ドルは10月前半以来約1ヶ月半ぶりの安値となった。しかし翌21日にはNY連銀総裁が利下げを示唆する発言をしたことで利下げ観測が再燃して493ドル高。週足では902ドル安だった。

　一方東京株式市場は非常にボラティリティの高い週となった。日経225平均は17日小幅下落した後、18日は売りが殺到して1,621円安で終了。翌19日は小幅続落した後、20日には1,286円上昇し、そして21日には1,198円安。5日中3日間に4桁変動する値動きの荒い週となった。

　仮想通貨市場では先月からの軟調な地合が今週も続いた。週明けの17日朝方には1,450万円付近にあったビットコインは、週前半はそのまま1,400万円台前半で上下。しかし20日から21日にかけて大きく下落し、21日夜には4月以来となる1,260万円台に。そこでようやく下げ止まり、その後は反発して週末には1,300万円台で推移している。

　来週は今週に引き続き遅れていた米経済指標がいくつか発表され、また韓国とニュージーランドの政策金利発表もある。大きな材料は比較的少ない週であり、今週の荒い相場が落ち着くかどうかが焦点となる。