来年5月まで任期を残している米FRBのパウエル議長だが、トランプ大統領は先週金曜に次期FRB議長について「すぐに発表する」と発言した。任期満了まで1年近くを残した異例の早期指名は、今後の金融市場に大きく影響する恐れがある。
先週の6日金曜に、トランプ大統領は大統領専用機内で記者に対し、FRBの次期議長について「すぐに発表する」と発言していた。
現在の議長はパウエル氏だが、パウエル議長の任期満了は2026年5月とまだ1年近く残している。それにも関わらずトランプ大統領が次期議長を発表するとなれば、極めて異例のこととなる。
このようなことになった背景は何なのか?まずパウエル議長について振り返って見ると、FRBの議長は1期が4年。パウエル議長は2018年2月から議長を務めており、現在は2期目になる。
パウエル議長が就任した当時は第1次トランプ政権時代であり、トランプ大統領が自らパウエル氏を指名。この時正式に発表されたのは2017年11月で、就任の3ヶ月前であった。
そして4年後の再任時はバイデン政権であったのだが、この時も再任予定の2022年2月の3ヶ月前となる2021年11月に発表された。ところが米議会での承認が遅れたことで再任が5月までずれ込み、そのため2期目の満了日が2026年5月になった。
そのままパウエル議長が2期目を務めて現在に至るわけだが、第2次政権発足後のトランプ大統領は利下げを望んでいるのにそれを実行しないパウエル議長に対しかなり不満を持っている。そして「私が解任をしようと思えばできる」と発言したこともあったものの、そのために金融市場が動揺したため、すぐに撤回した。
また裁判所を通してパウエル議長を解任しようとしたこともあった。このケースでは他の連邦政府高官2名を裁判所を通して解任することで、同様の手法をパウエル議長にも適用する方針と見られていた。しかし裁判所は「FRBは政府から独立した機関」と述べ、適用は難しくなった。
今回トランプ大統領が異例とも言える早さで次期議長を指名しようとしている背景には、パウエル議長に対する不満があると見られる。ベッセント財務長官は長官就任前の昨年10月に、「早期に次期FRB議長を指名すれば、パウエル氏よりそちらの影響力が強くなるだろう」という考えを述べていた。
つまり次期議長を早期指名することで、パウエル氏をレームダック、つまり任期満了を待つだけで実質的な影響力はなくなった立場に追い込もうという意図があると思われる。
しかし実際にそのような意図で次期議長が早期指名されれば、市場が動揺することもありえる。トランプ大統領は利下げを望んでいるので、利下げに積極的な人物を指名する可能性が高い。そしてパウエル議長は利下げに慎重なので、早期指名が行われれば市場にとってはどちらの発言を信じたらよいか混乱してしまうのではないか。
このようなリスクを秘めた次期議長の早期指名だが、トランプ大統領は「すぐに発表」と述べていた。有力な候補の1人に元FRB理事のケビン・ウォルシュ氏がいると見られるが、発表されたら市場はどのように反応するのだろうか。
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