NOT A HOTELもIEOを発表

これまで国内で4例が上場されてすでに新たに2件が発表されているIEOだが、先週また別の企業がIEOを実施する予定であると発表した。これで日本のIEOは進行中のものも含めて7件となった。

今度は不動産関連

　企業が独自の仮想通貨を発行し、取引所を通して不特定多数の投資家に発売して資金を調達するIEO（Initial Exchange Offering）は、海外では多数行われているが日本ではようやく4つ上場されたのみだ。

　しかしその後新たに2件のIEOが発表されており、さらに先週7日にまた別のIEOが発表されて進行中のものも含めると日本のIEOは7件となった。

　今回発表されたのは「NOT A HOTEL（ノットアホテル）」という企業のIEO。この企業は2020年に設立されたばかりで、企業名を訳すと「ホテルではないよ」という意味になる。「NOT A HOTEL」はサービス名であり、同時にNOT A HOTEL株式会社と社名でもある。

　この企業が提供しているのは、自宅・別荘とホテルという2つの用途目的で不動産を販売・運営するサービス。投資家は軽井沢などにある物件を購入することで、1年のうち「自宅・別荘として使う」期間と「ホテルとして使う」期間を指定。自宅・別荘として使う期間は自分で住み、ホテルとして使う期間はホテルにして提供して宿泊料を収入として得る。

　物件は高級不動産なので1億円以上と高価だが、年間10日だけや30日だけの利用など期間限定のシェア目的の購入も可能でその場合はより低コストで参加できる。

　そして11月7日にはIEOの計画が発表された。まだ予定段階だがIEOは仮想通貨取引所のGMOコインで行われ、「NOT A HOTEL COIN（NAC）」という通貨が発行されるとのこと。

　このNACは単なる仮想通貨ではなく、NOT A HOTELが運用する不動産を裏付けとしたRWA（現実資産）トークンになる。つまり価値の裏付けがあるので、ある日突然無価値になる可能性が低いということになる。

　IEOはまだこれからだが、NOT A HOTELは昨年にNFTにも参加している。NFTを発行し、発行されたNFTを購入した者はNOT A HOTELの物件を年間1～3日などごく短期間利用する権利を得られるという特典がある。

　これで日本で現在進行中のIEOは、ゲームのBrilliantcryptoとSNSのYAY（イェイ）とあわせて3件になった。そしてGMOコインのIEOはサッカーチームのFC琉球が発行したFCRコイン（FCR）に続いて2件目になる。

　とは言え前例のFCRコインは販売価格が2.2円だったのだが、その後価格は低迷し最近になっても0.3円付近と販売価格より遥かに低い水準で推移している。GMOコインのIEOとして第1弾となったFCRコインは投資家が満足できる値動きとは言い難いが、今度のNOT A HOTELはもっと値上がりするだろうか。