日本が休場の間に仮想通貨市場急落

19日は日本が敬老の日のため、株式・先物市場が休場した。しかし海外では通常通り市場が開いており、また仮想通貨は年中無休の市場なので当然19日も取引が行われた。そして仮想通貨は相変わらず軟調な動きが続き、ドル建てのビットコインは今年の最安値に接近している。

リスク回避の流れは止まらず

　19日は日本が敬老の日で、株式・先物市場が休場した。なお大阪取引所は23日金曜から祝日でも先物取引が行われるようになる。そのため「祝日なので株式・先物市場が休場した」という言い方は今回で最後になり、次回の祝日からは「株式市場が休場した」と言うだけになるであろう。

　しかし海外の多くの国では通常通り市場が開いており、また仮想通貨市場はもともと365日開いている。そして19日は日本の投資家が休んでいる間に、仮想通貨市場が急落している。

　他の金融市場が先週の取引を終えた17日土曜朝には、ビットコインは280万円台だった。そして17～18日にはあまり動きがなく280万円台で推移していたのだが、18日夜をピークに下落。週明け19日になると午前11時過ぎと午後2時過ぎにまとまった売りが出て、午後には260万円台前半をつけた。この水準は7月上旬以来約2ヶ月ぶりの安値となる。

　だが為替市場ではここ数ヶ月間円安が進行してきたため、米ドル建てで見ると円建てよりももっと下がっていることがわかる。米ドル建てのビットコインは19日夜に18,500ドル付近まで下落し、7月の安値を下回り6月につけた今年の最安値に接近した。

　7月に多少上昇した時仮想通貨関連メディアでは「仮想通貨冬の時代は終わったか!?」などという論調も見られるようになった。しかし現実にはその後も、仮想通貨価格は去年のような力強い上昇は見られない。

　今回の下げについて、市場では今年になってからずっと続いているリスク回避の流れの延長で売られたと見られている。また先週には米証券当局が仮想通貨に対する新たな規制を示したことも、売り材料となったと見られる。

　そしてほとんどの例でそうであるように、19日はビットコインが下げたと同時にイーサリアムやリップルといった他の主要仮想通貨も下げた。

　今年に入ってから仮想通貨市場は軟調な動きが続いているが、まだ底を打ったと決めつけることはできない。世界的な金融引き締めの流れはまだ来年にかけて続き、金融市場におけるリスク回避の流れもまだしばらく止まらない。

　去年は世界的な金融緩和で暴騰した仮想通貨市場だが、あのような極端な暴騰は結局「バブル」だったのかもしれない。