先週23日に英政府が発表した大規模減税を受けて債券市場の利回りが急騰し、今週にかけて株安が継続。28日には英中銀が緊急国債購入策を発表したため債券市場は落ち着いたものの、景気後退懸念などから株安は週後半になっても止まらなかった。
今週は重要な経済指標がいくつか発表された。27日火曜に発表されたアメリカの8月新築住宅販売件数は、予想の年率換算50万件に対し発表は68万5000件と予想を上回った。29日木曜に発表されたアメリカの第2四半期GDP確定値は、予想通りの前期比年率0.6%減だった。
同じ日にはドイツの9月消費者物価指数が発表され、予想の前年同月比+9.5%に対し発表は+10%と2桁の大台に乗った。前月の+7.9%より大幅に上がっており、ドイツのインフレの深刻さが明らかになった。
30日金曜にはユーロ圏の9月消費者物価指数も発表され、予想の前年同月比+9.7%に対し発表は+10%とこちらもドイツと同じく2桁になった。一方同じ日に発表されたアメリカの8月個人消費PCEデフレーターは、予想が前年同月比+6.0%、結果が+6.2%と予想を上回ったが、前月よりは低下した。
なお今週は主要国の政策金利発表はなかった。しかし今週の金融市場を大きく動かしたのは、先週の23日金曜にイギリスが発表した大規模減税の影響だった。大規模減税によって今後英財政が悪化するとの懸念が高まり、発表後から今週前半にかけてポンドが下落し英国債利回りは急騰。またアメリカなど他国の国債利回り(長期金利)も同様に上昇した。
債券利回りの上昇を受け、今週のNY株式市場は先週に続き軟調な地合が継続。ダウ工業平均は26日月曜は329ドル、27日は125ドルと連日の3桁安。
だが28日になると、英中銀が債券利回りの上昇を止めるために緊急で国債を購入する政策を発表。この政策発表は金融市場に大きなインパクトがあり、28日水曜の政策発表後には債券利回りの上昇が止まるとともにNYダウも548ドル高で終わり7営業日ぶりに上昇。
しかし世界的な景気後退懸念は消えずに29日は458ドル、30日は500ドルと再度連日の3桁安となり、週足では865ドル安だった。
東京株式市場も似たような展開となった。3連休明けとなった26日は22~23日のNY株安を受けて暴落相場となり、日経225平均は722円下落。27日には小幅上昇したものの28日に398円安で終わり、29日は249円上昇した後30日には484円も下落し7月1日以来となる終値25,000円台をつけた。
すでに述べたように為替市場では週前半にポンドが暴落。特にポンド/米ドルは26日に1ポンド=1.03ドル台までポンド安・米ドル高になり、ポンドの史上最安値となった。だがその後英中銀が国債購入策を発表したこともあってポンドの反発が続き、週の終値は1.11ドル台だった。
来週は5日水曜にアメリカの9月ADP雇用統計、7日金曜に9月雇用統計が発表される。そしてオーストラリアとニュージーランドの政策金利も発表を予定されており、どちらも0.5%の利上げが予想されている。
しかし来週の重要なポイントは、長期金利高や景気後退懸念を背景とした株安がまだ続くか、あるいは一息つけるかどうかではないか。
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