今週の金融市場の動き総括、9月19～23日

今週は日本がシルバーウィークで株式市場は3日間だけ取引が行われた。しかし日本を含め多くの国が政策金利を発表したため、金融市場は大きく変動した。また金利発表以外にも日銀の為替介入や英の減税発表など、金融市場を大きく動かす材料は尽きない週だった。

ダウは週足1,232ドル安

　今週は日本がシルバーウィークのため、19日月曜と23日金曜は祝日で株式市場は3日間だけの取引だった。また大阪の先物市場は23日から祝日取引が始まったため今週は4日間取引が行われ、来週以降は祝日に関係なく毎週5営業日になる。

　そして今週は非常に多くの材料が出た1週間だった。まず多くの国が政策金利を発表した。22日未明にはアメリカが発表し、予想通り0.75％の利上げが発表されて政策金利は3～3.25％とされた。

　そのまま22日は政策金利発表ラッシュとなった。正午頃には日本が発表し、予想通り異次元緩和も含めて全て現状維持とされた。スイスは予想通り0.75％の利上げで0.5％とされ、2015年以来続けられてきたマイナス金利政策が終了した。

　トルコは据え置き予想だったがサプライズで1％の利下げが発表され、政策金利が12％とされた。イギリスは予想通り0.5％の利上げで2.25％とされた。そして南アフリカも予想通り0.75％の利上げで、政策金利は6.25％とされた。

　先週13日に発表されたアメリカの8月インフレ率が予想を上回ったため、その後は利上げ継続見通しから米長期金利の上昇も継続。今週になっても米長期金利高は続き、それがNY株式市場にとって売り材料となった。

　ダウ工業平均は19日は197ドル上昇したものの、翌20日火曜以降は連日3桁下落が継続。特に政策金利が発表された21日水曜は522ドル安で、23日には30,000ドルを割って2020年11月以来の安値となる29,590ドルで終了。週足では1,232ドル安だった。

　為替市場は政府日銀の介入を受けて乱高下した。週前半の米ドル/円は1ドル＝143円台で推移していたものの、日米の政策金利発表があった22日未明から午後にかけて円安が進行。一旦は145円を越えて146円に接近した。

　しかし22日午後5時過ぎには政府日銀が2011年以来11年ぶりとなる介入を行い、短時間で5円ほど円安に。その後は米長期金利高を受けて23日にかけて143円台までまた円安に動いた。

　3日間のみの東京株式市場も軟調な展開が続き、日経225平均は3日連続下落。22日には一時約2ヶ月ぶりに26,000円台をつけた。

　先物市場では先週米鉄道業界で労使が合意しストが回避できたため、天然ガスが下落。週前半は100万BTU＝7.7～7.9ドル付近で推移していたが、週後半に下げて7ドルを割って今週を終了した。またNY原油も週の終盤に下げ、一時は今年1月以来となる78ドル台をつけた。

　来週は今週に比べると材料が少ないが、30日金曜にはユーロ圏の9月消費者物価指数やアメリカの8月個人消費が発表される。そしてイギリスは23日に発表した減税案のためにポンドや英国債が売られたため、来週には緊急利上げもあるのではないかとの予想もある。