今週の金融市場の動き総括、4月11～15日

今週は米3月CPIなどが発表され、政策金利はNZ、カナダ、トルコ、ユーロ圏と4ヶ国・地域が発表した。しかしこれらは株式市場にとってはそれほど大きな材料にはならず、株式市場は比較的動きが少ない1週間のまま終わった。

米ドル/円が20年ぶりの126円

　今週は重要な経済指標発表が少なかったが、12日火曜には米3月消費者物価指数が発表された。米3月CPIはベース指数が予想の前年同月比＋8.4％に対し結果は＋8.5％と前月よりもインフレがさらに進行した。

　一方で食料品などを除いたコア指数は、予想が前年同月比＋6.6％、結果が＋6.5％と予想を下回った。また前月比も予想より0.2ポイント低い同＋0.3％だったため、高いインフレ率への警戒が高まる一方、「アメリカのインフレはピークアウトした」との見方も台頭した。

　政策金利は13日水曜にまずニュージーランドが発表し、予想の0.25％を上回る0.5％利上げが発表され1.5％とされた。同日夜にはカナダが発表し、予想通りの0.5％利上げが発表されて1％となった。

　14日木曜に発表されたトルコの政策金利は予想通り14％のまま据え置きだった。その後発表されたユーロ圏の政策金利はこちらも予想通り据え置きだったが、同時に発表された声明やラガルド総裁の会見では引き締めを急がない姿勢が示された。

　今週は為替市場、特に米ドル/円に目立った動きがあった。週明け11日日中には円安・米ドル高が進行して3月28日に日銀が「連続指値オペ」を発表した直後につけた125円10銭の高値を更新。

　そのまま11日夜から12日日中にかけて125円台に留まっていたものの、12日夜に発表された米3月CPIによってインフレのピークアウト観測が台頭したことで一時124円台まで後退した。

　しかし13日午後に日銀の黒田総裁が「強力な緩和を粘り強く継続」と発言したことが円売り材料となり、2002年以来20年ぶりとなる126円まで上昇。14日夜以降になって再度円安が進行して15日金曜には一時126円60銭をつけた。

　一方東京株式市場を見ると日経225平均は11日に小幅安で終わった後、米長期金利上昇などを受け12日に487円下落。だが13日には509円、14日には329円と連続上昇し、15日は小幅安。週足では108円の小幅高だった。

　15日がグッド・フライデーで休場したNY株式市場では、ダウは11日に413ドルのやや大きな下落。13日には344ドル高だったが14日にも下げ、週足では270ドル安で終了した。

　先物市場では先週から今週11日まで下げが続き11日には93ドルをつけたNY原油が、12日以降は反騰。上昇の材料となったのは中国・上海のロックダウンが一部解除されたことや、EUがロシア産原油の禁輸を検討していると報じられたことなどがある。12日以降はずっと原油高が続き、週の終値は106ドル台だった。

　来週は主要国の政策金利発表はないが、中国の第1四半期GDPや日本の3月消費者物価指数が発表される。そして18日月曜は欧州を中心として多くの国がイースターで休場する。来週は比較的材料難な1週間となることが考えられる。