今週の金融市場の動き総括、3月14～18日

今週は日本、アメリカ、イギリス、トルコ等の政策金利が発表され、日本とユーロ圏の2月消費者物価指数の発表もあった。一方ウクライナ紛争は今週も続いたものの、新しい悪材料はなく株式市場は週を通して堅調だった。

ダウと日経はともに5連騰

　今週は政策金利の発表が多かった。まず17日木曜未明にはアメリカが発表し、予想通り0.25％の利上げだった。同時に参加者による今年の利上げ見通しが公表され、全参加者の平均で「7回」と、前回12月公表時の「3回」より大幅に増加していた。

　17日夜にはイギリスの政策金利が発表され、予想通り0.25％の利上げで金利が0.75％とされた。イギリスの利上げは3会合連続。直後にはトルコが発表して予想通り14％のまま据え置きだった。トルコは3ヶ月連続で金利据え置き。

　18日金曜の正午頃には日本の政策金利が発表され、異次元緩和政策も含めて全て現状維持とされた。その後の黒田総裁の会見では4月以降物価上昇率が2％を超える可能性を示したものの、2％を達成しても緩和を続ける方針だと述べた。また同じ日にはロシアが政策金利を発表し、20％のまま据え置きだった。

　経済指標は16日水曜にアメリカの2月小売売上高が発表され、予想の前月比0.4％増に対し発表は0.3％増で予想を下回った。17日にはユーロ圏の2月消費者物価指数改定値が発表され、予想と速報値を0.1ポイント上回る前年同月比＋5.9％だった。18日朝には日本の2月CPIが発表され、生鮮食料品を除いた数字で予想通りの前年同月比＋0.6％だった。

　一方2月下旬から金融市場にも大きな影響を与えてきたウクライナ紛争だが、今週も停戦交渉などが行われたもののまとまらなかった。だが新しい大きな悪材料もなく、今週の株式市場は週前半に原油が暴落したことなどを受けて堅調だった。

　週明け14日月曜のNYダウは1ドル高だったが、翌15日火曜は599ドルも上昇。その後も3日連続3桁上昇が続き、今週は5連騰。週足では1,810ドル高の暴騰だった。

　日本の株式市場も同様で、先週は日経225平均が24,000円台まで下落し1年4ヶ月ぶりの安値となったが今週は大幅リバウンド。月曜から金曜まで5連騰し、特に17日には890円高の暴騰。週足では1,665円高だった。

　またすでに述べたように、今週前半には原油が下落した。週開始時点では109ドルだったNY原油は、中国が一部の都市でロックダウンを実施したことなどを材料に週前半に暴落。一時は週開始時から15ドルも安い94ドルをつけた。しかし17日未明から18日にかけて106ドルまで大きく反発するなど、週を通して荒い動きが続いた。

　来週はスイスと南アフリカの政策金利が発表される一方、経済指標は重要な発表が比較的少ない。今週から引き続きウクライナ問題で何らかの悪材料が出ることも考えられるが、特になければ株式市場は今週の堅調な相場が来週も続くこともありえる。