今週は6ヶ国・地域が政策金利を発表する政策金利発表ラッシュの週だったが、それらはほぼ予想通りの無難な内容だった。一方で週の終了間際にはトランプ大統領が中国など3ヶ国に追加関税を発動と発表したことで、来週以降の市場に波乱の種が撒かれた。
今週は6ヶ国・地域が政策金利を発表する政策金利発表ラッシュの週だった。その中でも最も注目度が高かったのは30日木曜に発表されたアメリカの政策金利だったが、予想通り4.25~4.5%のまま据え置きだった。
米FRBは昨年後半に3会合連続で利下げを行ってきたものの、トランプ政権でアメリカのインフレが再燃する懸念が高まったことで今回は様子見のために4会合ぶりの据え置きとされた。次回以降の利下げのスケジュールについて、パウエル議長は会見でも名言はせずデータ次第と示唆した。
米以外に発表された政策金利をまとめると。29日水曜に発表されたスウェーデンの政策金利は予想通り0.25%の利下げで2.25%、同日のカナダは予想通り0.25%の利下げで3%、30日未明に発表したブラジルは予想通り1%の利上げで13.25%、同日夜のユーロ圏は予想通り0.25%の利下げで2.9%、そして同日夜の南アフリカは予想通り0.25%の利下げで7.5%とされた。
今週発表された主な経済指標を見ると、30日にはドイツの2024年第4四半期GDPが発表され予想の前年同期比変動なしに対し発表は0.2%減とマイナス成長だった。同じ日にはユーロ圏の第4四半期GDPが発表され、予想の前年同期比1.0%増を下回る0.9%増だった。そして31日金曜にはアメリカの12月個人消費PCEデフレーターが発表され、予想通りの前年同期比+2.6%だったが前月比の数字が予想を0.2ポイント上回った。
そして今週は株式市場を揺るがす大きな材料が2つ出た。1つ目は27日に中国のスタートアップであるDeepSeekが、最新の半導体を使わないAIを発表したこと。これによってエヌビディアなど半導体企業の業績懸念が広がった。
2つ目は米トランプ政権が31日になって、以前から予告していた通り「2月1日から中国、カナダ、メキシコに追加関税を発動する」と発表。1日土曜には大統領令に署名した。税率は中国が10%、カナダとメキシコが25%となった。
DeepSeekのAIは特にエヌビディアなど半導体企業の業績懸念を高め、今週のNASDAQ市場に大きく影響した。NASDAQ総合指数は27日月曜に3%安、612ポイント安で終了し、翌28日火曜には2%反発したが29日以降はさえない動きが続き週足では327ポイント安だった。
一方AI銘柄の割合の低いダウ工業平均はNASDAQほど軟調ではなかった。先週発表された米12月消費者物価指数などが予想を上回らなかったことで、インフレ再燃とFRBの利下げ休止懸念が一旦後退し週前半は上昇。31日の市場前半には一時昨年12月4日につけた場中の史上最高値45,073ドルに接近した。
しかし現地時間の午後1時頃にトランプ大統領が追加関税を発表すると、インフレや利下げの長期休止懸念が再燃して急落。この日の高値から約500ドル下げて今週を終え、週足では120ドルの小幅高だった。
先週追加利上げを発表したばかりの東京株式市場は、DeepSeekショックと合わせて週前半は軟調な展開となり日経225平均は27・28日の2日間で900円ほど下落。だが29日以降は反発し、週足では359円安だった。
来週はアメリカの1月ADP雇用統計と1月雇用統計の発表がある。またイギリスなど4ヶ国が政策金利を発表する。しかしこれらよりも、今週出た2つの材料・DeepSeekショックとトランプ政権の追加関税が金融市場のどこまで影響するかが重要となる。
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