パンデミック下でもGAFAの業績は堅調－その2

30日にアメリカのGAFA4社が揃って4～6月期決算を発表した。そしてアルファベット以外の3社は増収増益で、アルファベットだけは減収減益という結果だった。

Amazonは大きく増収

　7月30日にアメリカのIT大手・GAFA4社が同じ日に4～6月期決算を発表した。もともとはFacebook以外の3社だけが発表する予定だったが、Facebookは29日の米下院公聴会に経営者が出席しなければいけなくなったため、急遽1日延期した。

　その1ではFacebookとAppleの決算内容について述べたが、その2では残ったアルファベット（Google）とAmazonの発表を見てみる。

　Googleの親会社であるアルファベット（銘柄コード：GOOGL）の4～6月期決算は、売上高は前年同期の389億ドル（約4兆500億円）から2％減の382億ドル（約4兆円）だった。市場の予想は373億ドル（約3兆9000億円）だったので予想は上回ったものの、それでも減収だった。

　純利益は前年同期の99億ドル（約1兆400億円）から30％減少して69億ドル（約7200億円）、EPS（1株あたりの利益）は市場予想の8.34ドルに対し発表された数字は10.13ドルとかなり上回った。

　GAFAの他の3社が増収増益を達成する中、唯一減収減益となったのがアルファベットだ。これはアルファベットの売上の99％を占める広告料収入が、COVID-19（新型コロナウイルス）の影響で落ち込んだためと説明された。

　そして最後に残ったAmazon（銘柄コード：AMZN）はすでに頻繁に報じられているように、ロックダウンの影響でネット通販に対する需要が大きく伸びてかなり好調な決算となった。

　売上高は前年同期の634億ドル（約6兆6500億円）から40％も増加し、889億ドル（約9兆3000億円）。市場予想は815億ドル（約8兆5500億円）だったため市場予想よりも10％近く高かった。

　純利益は前年同期の26億ドル（約2700億円）からほぼ倍増の52億ドル（約5400億円）。EPSは市場予想の1.46ドルより遥かに高い10.30ドルだった。Amazonは特に売上高が40％も伸びており、他のGAFA3社と比べても際立っている。

　決算発表後の株価を見ると4社の中で唯一減収減益だったアルファベットは低調で、30日を1,538.37ドルで終えた同社の株は、31日のNY市場前の時間外取引で1％ほど安い水準で取引されている。

　一方30日の終値が3,051.88ドルだったAmazon株は、好調な決算に支えられて時間外取引では5％ほど高い3,200ドル付近で取引されている。

　もともと時価総額が世界でもトップクラスのGAFAだったが、パンデミックとそれに伴うロックダウンのためにIT産業の重要性が高まり業績や株価、そして時価総額がますます伸びている。

　最近GAFAにマイクロソフトを加えた5社の時価総額の合計が、東証の銘柄全てより高くなった。またGAFAとマイクロソフトだけでS&P500指数の採用銘柄500種の時価総額全体の、20％以上を占めるようになった。

　これほど巨大な存在になったGAFAを各国政府は警戒している。29日に下院公聴会にGAFAの経営者が呼ばれたのもそういった理由だった。この構造はかなり歪だが、米政府などが強制的に是正しない限り当分続くだろう。