日銀が29日に2024年3月期の決算を発表したが、その中で保有している国債の含み損が過去最大の9.4兆円にもなっていた。今後の日銀の利上げ観測を受けて国債が市場で売られ利回りが上がったことが原因だが、今後実際に利上げをすればこれが悪化していくことが考えられる。
最初に簡単に説明しておくと、長期金利とは10年物国債の利回りのこと。国債には株式市場と同様リアルタイムに売買される国債市場がある。そして国債市場における国債の価格と利回りは反対に動く性質がある。国債が買われて価格が上がると利回りは下がり、逆に売られて価格が下がると利回りは上がる。
日銀は29日に2024年3月期の決算を発表したが、その中で保有している国債の含み損が過去最大となる9.4兆円にもなったと発表された。
国債が含み損になったということは、国債市場で国債が売られて価格が下がり、利回りが上がったことを意味する。日銀は今後円安是正などのために利上げをする可能性が高まっており、特に今年になってから国債が売られ利回りが急騰している。今週29日にはついに2011年12月以来約12年半ぶりとなる1.08%をつけた。
日銀は2013年の異次元緩和開始以来大量の国債購入を続けており、今年3月に異次元緩和政策の大半を終了しても国債買いだけは終了しなかった。長年の国債購入のため3月末時点での保有国債の簿価は約590兆円もあり、その保有分の含み損が9.4兆円になった。
日銀の国債は2006年3月期に含み損になって以来ずっと含み益の状態が続いてきたが、2023年3月期には17年ぶりに1,500億円の含み損となった。しかし今期は含み損がその約60倍にまで拡大してしまった。
とはいえ同じく異次元緩和によって日銀の保有資産となったETFの方は、簿価が37兆円に対して現在の評価額は74兆円。つまり37兆円もの含み益が出ている状態になっている。日銀は異次元緩和開始時の2013年以降ETFを大量に買い続け、2021年春の政策変更以降はほぼ買わなくなり今年3月に完全終了とした。
つまり日銀がETFを買ったのは株価がまだ安い時であり、ここ2~3年の日経30,000円超えの高値ではほとんど買っていない。だから購入額とほぼ同じだけの莫大な含み益が出ている。
現在は国債の含み損をETFの含み益でカバーしている状態にある。しかし今後日銀が利上げをして、為替が円高になったらどうなるだろうか?利上げをすると国債が売られて利回りが上がるので、日銀の国債の含み損はさらに拡大する。
そして利上げをして円高になれば株が売られやすくなるので、ETFの含み益は縮小し下手をすれば含み損に転換することもありえる。つまり利上げは日銀の持つ国債とETFの両方の含み損を拡大させる恐れがあるので、日銀がなかなか利上げをしたがらない理由はそのあたりにもあると思われる。
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