先週金曜に長期金利のレンジ上限を0.5%から1%へと引き上げた日銀だが、週明け31日になって長期金利がまだ上限から遠い0.6%近くになった時点で国債の臨時買いオペを発表。この買いオペを受けて為替市場では円安が進行した。
最初に簡単に説明しておくと、長期金利とは10年物国債の利回りのこと。個人はほとんど参加しないが国債には毎日売買が行われ価格と利回りが変動する国債市場がある。そして価格と利回りは反対に動き、価格が上がると利回りは下がる。
日銀は先週金曜の政策金利発表で、長期金利の誘導目標レンジ政策、つまりYCC(イールドカーブ・コントロール)政策の修正を発表した。それまでは0%の±0.5%と決められていた長期金利の誘導目標レンジを、0.5%をメドとしつつも上限1%まで容認すると発表した。
日銀は昨年12月にレンジをそれまでの0%±0.25%から±0.5%に拡大したばかり。それから約7ヶ月後にして、2度目のレンジ拡大となった。
しかし先週の修正では「1%まで容認する」と述べていた日銀だが、週明けになって早速その言葉に反する動きがあった。
先週金曜の日銀政策修正発表後に長期金利はそれまでのレンジ上限を超えて0.57%付近まで上昇。さらに週明け31日になると、0.6%付近まで上昇した。この時点で新上限の1%にはまだかなり遠いはずだが、日銀は午前10時頃に臨時買いオペの実施を発表した。
買いオペとは日銀が自ら市場で国債を買い取る措置のこと。日銀は長期金利を1%以内に抑えると先週金曜に発表したため、この買いオペは長期金利が1%に近付いた時点で行われると予想されていた。
ところが日銀は上限より遥か下の0.6%の水準で臨時の買いオペを実施。31日に行われた買いオペは3,000億円ほどだった。
この動きは、先週金曜に「1%まで容認」と発表した日銀が、実際にはそこまで容認せずもっと低い水準に長期金利を抑えようとする意図があると示している。つまり日本と海外の金利差は、政策修正の発表当初予想されていたより縮まらないことを意味していた。
そのためこの動きが日米の金利差が縮まらないとの観測につながり円安・米ドル高材料となり、31日は為替市場で円安が進行した。朝方には1ドル=140円台後半にあった為替レートは、日銀が臨時買いオペを発表した午前10時から1時間以内に50銭以上円安に。その後も午後から夕方にかけて円安に動き、夕方には一時142円50銭をつけた。
今回のような動きは、もはや日銀がYCC政策の修正を発表しても円安を止める効果があまりないことを示した。前回・昨年12月のレンジ拡大時の為替レートを見ると、拡大発表前は1ドル=137円台だったレートが、発表の日だけで5円も円高に動き132円台に。その後も発表前の水準に戻るまで約2ヶ月を要した。
ところが先週の発表では一旦発表前の139円台から発表後に1円以上円高になり138円に接近したものの、28日夜から31日にかけて円安が進行して31日夕方には142円と日銀の発表前以上の円安水準になっている。
今回発表された修正幅は0.5%(0.5%→1%)なので、前回の0.25%より大きかったはずだ。それでも円安を止める効果がないなら、円安を止めるためには緩和を止めて利上げを開始するしかないのではないか。
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