トランプ政権が成立した後テスラのイーロン・マスク氏は米政府の要職につき、不要と判断した事業を停止し人員を削減するなど連邦政府の支出削減に尽力してきた。マスク氏はそれだけ米政府の債務問題を強く懸念しているのだが、本当にマスク氏の言う債務危機は起こるのだろうか?
アメリカで今年1月にトランプ政権が成立した。そして選挙戦期間中からトランプ大統領を熱心に支持してきたテスラのイーロン・マスクCEOが、新しい省庁である政府効率化省(DOGE)の要職に就いた。
この省はその名前の通り、米連邦政府の無駄を削減するための組織だった。マスク氏は以前から連邦政府の巨額債務に懸念を表しており、債務を削減しないとアメリカは近い将来に破産すると主張していた。
そしてマスク氏は政府効率化省での仕事を開始したが、強引に事業を中止し職員を解雇するやり方に対し批判が爆発的に高まった。テスラの施設や車に対する破壊行為も行われ、わずか数ヶ月後にはマスク氏は政府効率化省の仕事から離れることになった。
マスク氏は「連邦政府の無駄は2兆ドル(約310兆円)削減できる」と豪語していたのだが、数ヶ月間で実際に削減できた予算はせいぜいその10分の1程度ではないかと見られている。
政府の仕事から離れても、マスク氏は連邦政府の債務について懸念を表し続けている。マスク氏の発言ではなく米財務省の公表している数字によれば、2025年12月現在における債務残高は38兆ドル(約5,900兆円)という途方もない額になっている。
マスク氏はこのような数字を放置していれば連邦政府の財政は破綻すると述べているが、本当にそのような事態が起こるのだろうか?
まずアメリカの通貨は米ドルという基軸通貨であり、米政府の債務、つまり米国債は基本的に米ドル建てであることを確認したい。国債がほぼ自国通貨建てで発行されている場合、支払えなくなってデフォルトすることはない。お金が足りなくなれば自国で新しいお金をいくらでも刷れるからだ。
時々「米政府がデフォルト危機」という事態に陥っているが、これは支払い能力がないわけではないが債務上限問題など他の事情で支払いができないテクニカルデフォルトというもの。途上国がよく陥る支払えないためのデフォルト、つまり債務不履行ではない。
では自国通貨を刷って支払えるなら債務がいくら膨らんでも問題かいかというと、実際はそうではない。通貨を過剰に発行するとインフレが進行する。アメリカは日本よりインフレになりやすい社会なので、2022年には一時10%近くまでインフレになったこともあった。
超大国のアメリカといえど貧困層はいるので、インフレで物価が上がると生活ができなくなり社会不安が高まる。アメリカ人は日本人と違い、暴動も起こることが多いし災害があると商店が略奪されたりする。
膨らみ続ける債務を放置するとその返済のためにインフレになったり、あるいは債務の利払いが多すぎて金利が上げられずインフレを止める手段がなくなったりする弊害が出てくる。今の日本は後者の状況に陥っており、政府債務が多すぎて円安・物価高でも日銀の利上げが難しい。
結局はマスク氏の懸念している通り、債務を放置しているといつか弊害が出る。しかしアメリカの経済や社会福祉は財政によって支えられており、安易に支出削減はできない。アメリカも日本と同じで、膨らみ続ける財政赤字を止められない状況に陥っている。
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