インテルが巨額赤字決算で株価下落

著者鳥羽賢

2025年7月25日

インテルが24日のNY株式市場終了後に第2四半期の決算を発表。結果は前年同期の約2倍の額となる29億2000万ドルの赤字で、6四半期連続赤字となった。この決算を受けて25日のNY株式市場ではインテル株が下落している。

売上高はほぼ変動なし

　米半導体大手のインテル（銘柄コード：INTC）が、24日のNY株式市場終了後（日本時間25日早朝）に第2四半期（4～6月期）の決算を発表した。

　その内容によると、売上高は前年同期の128億ドル（現在のレートで約1兆8900億円、以下同じ）から0.2％増の129億ドル（約1兆9000億円）で、市場予想の119億ドル（約1兆7600億円）を上回った。

　純損益は前年同期の16億1000万ドル（約2,380億円）の赤字から、29億2000万ドル（約4,320億円）の赤字へと、赤字額が約1.8倍に拡大した。EPS（1株あたりの損益）は0.67ドルの赤字だった。

　しかしこれらの数字は、アメリカの正式な会計基準に基づいたGAAPベースの利益額。インテルを含めた一部の米企業はGAAPベースの他に、非公式なnon-GAAPベースの数字も公表している。

　non-GAAPベースでのインテルの今期の純損益は、前期の1億ドル（約148億円）の黒字から4億ドル（約592億円）の赤字に転落。EPSは0.1ドルの赤字で、予想の0.01ドルの黒字より悪い数字だった。

　インテルはこれで6四半期連続の赤字となった。2023年頃から世界的なAI（人工知能）ブームになりAIに対応する半導体への需要が爆発的に伸びたものの、インテルはその分野で対応が遅れたために業績が悪化し巨額赤字が続いてきた。

　そして今後の経営建て直しのために、6月末現在で9万6400人いた全世界の従業員の15％を削減するリストラ計画が発表された。この計画と他のリストラによって、今年末までに従業員数を7万5000人まで減らすことが目標とされた。

　来期・第3四半期（7～9月期）の見通しについては、売上高は126～136億ドル（約1兆8650億～2兆130億円）、粗利率は36％、EPSは0ドルの損益なし、とされた。

　巨額赤字でかつ6四半期連続赤字という厳しい決算だったため、発表後のインテル株は大幅下落している。前日・24日を22.63ドルで終えた同社の株は、25日のNY株式市場序盤には8～9％安い水準で推移。まだ20ドル割れは見せていないが、25日中に20ドルを割る展開もありえる。

　かつては半導体の分野で圧倒的な強さを誇っていたインテルも、AIに対応できず近年は苦しい経営が続いている。インテルはかつての栄光を取り戻せるだろうか？

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