20日に日銀が金融政策を発表し、政策金利・量的緩和ともに現状維持とした。それに加えて物価上昇率2%の達成時期の目標をこれまでの「2018年度頃」から「2019年度頃」に1年先送りした。黒田総裁は自分の任期中の達成を完全に諦めたことになる。
日銀は2013年4月から国債やETFを大規模に購入する政策・異次元緩和を開始。日本国内では前例のない政策として、日本だけではなく世界が注目していた。当初異次元緩和の実行期間は「物価上昇率2%を達成するまで」とし、2%は「2年以内をメドに達成」と自信を持って発表していた。2年以内とはつまり、2015年4月までということになる。
しかしその後、2014年4月の消費税の8%への引き上げもあり、物価は低迷。また2014年後半以降の原油安も物価上昇を難しくした。そして当初の目標だった2015年4月までの達成が難しいと見ると、達成時期目標を先送り。それ以来合計6回の先送りを行ない、7月20日の発表ではついに「2019年度頃」まで後ずれした。
日銀総裁の任期は5年なので、黒田総裁の任期は2018年春まで。ということは、「2018年度頃」と言っていた時点で任期中の達成は半分諦めていたことになる。それが今日になって「2019年度頃」にしたことで、黒田総裁の任期中の達成は完全に捨てた。
それにしてもこれから日銀はどうするつもりなのか。黒田総裁は来年春で任期が切れるので、まずは後任が誰になるのかが問題となる。黒田総裁以外の人物が後任になるなら、ここまで中途半端に続けてきた異次元緩和を上手く引き継げるのだろうか。
誰が次期総裁になるにしても、異次元緩和をすぐに止めることはまずないだろう。そうすると株の暴落などリスクが高すぎるためだ。
そして異次元緩和政策があまりに長く続いているため、だんだんと弊害が出てくることも考えられる。まず国債の購入に関して、このまま年80兆円という膨大な額の国債を買い続けると、市場から買える国債が枯渇してしまう恐れがある。これは現在のペースで国債購入を続ければ数年以内に起こると言われる。
ETFも年6兆円という巨額の購入を続けているため、日経225平均の採用銘柄の多くの企業で、日銀が実質的な大株主になっていく。これは資本主義経済としてはかなり歪んだ構造だし、浮動株が少なくなるという問題も出てくる。
また去年初頭からマイナス金利政策を続けているが、それが銀行の収益を圧迫している。マイナス金利政策のため、これまで証券会社が運用してきたMMFは次々に新規受付を停止してしまった。
ともかく日本の量的緩和はアメリカやユーロ圏と比べても、期間・規模ともに長すぎ、あるいは大きすぎる緩和になっている。アメリカはQE1からQE3まで3回の量的緩和を行なったが、2014年秋には終了しそれ以来行なっていない。ユーロ圏は2015年3月から量的緩和を行ない、2年経った最近になって縮小が語られるようになった。4年以上続けてまだゴールが見えないのは日本だけだ。
日銀による異次元緩和という前代未聞の政策の果てには何が待っているのか。再任されない限り、黒田総裁はそれを示すことなしに任期を終えて日銀を去ることになるだろう。
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