11月5日から株式等の取引時間が延長へ

東証は長い間取引終了時刻が15時だったが、11月5日からそれが15時半まで30分間繰り下げられる。それに伴い日経225先物などの場中取引時間も30分延びるが、その代わりにナイト・セッションの開始時刻が30分繰り下げられることになる。

70年ぶりの終了時刻変更

　日本の株式市場の中心地である東証では2011年11月に前場の終了時刻が30分繰り下げられ、現在のような前場が9～11時半、後場が12時半～15時になった。それ以降は現在の取引時間で続けられてきたものの、今年11月5日に13年ぶりに取引時間が変更される。

　変更後は後場が12時半から15時半までと終了時刻が30分繰り下げられ、前場と合わせた取引時間は5時間半になる。世界を見ると例えばNY株式市場は9時半から16時まで、昼休みなしの6時間半と東証より長い市場が多い。東証は取引時間を延長することで、グローバルスタンダードに近づける狙いがあるようだ。

　今回の変更で終了時刻が15時半になるが、15時25分からの最後の5分間はクロージングオークション時間として売買を成立させず、終了時刻の15時半に板寄せで引け取引を成立させて終了とする。

　また東証の取引時間が変更されるに伴い、大阪取引所が扱う先物・オプションなどのデリバティブの取引時間も変更される。日経225先物を含む指数先物はこれまで8時45分から15時15分が取引時間だったが、それが株式と同様に30分繰り下げられて15時45分までになる。

　ただし先物のナイト・セッションはこれまで16時半開始だったものが30分繰り下げられて17時開始になるので、先物の1日の合計取引時間が20時間である点は変更がない。

　そして株式市場とは直接の関連性はない商品先物の取引時間も、終了時刻がこれまで15時15分だったものを30分繰り下げて15時45分までとする。ナイト・セッションも指数先物と同様に、これまでは16時半開始だったものが30分間繰り下げられて17時開始とされる。

　日経平均VI先物、ゴム先物、電力先物といった先物銘柄も同様に日中の取引が30分間延長されて15時45分までになり、ナイト・セッションの開始時刻が17時になる。

　すでに述べたように2011年11月には前場の終了時刻が30分繰り下げられており、それ以前にも東証は戦後何度か取引時間の延長を行ってきた。しかし後場の終了時刻の繰り下げは、1954年3月に14時から15時まで1時間繰り下げて以来実に70年ぶりとなる。15時半の取引が始まる11月5日から東証のまた新たな歴史が始まることになる。