民泊サイトのAirbnbが上場を申請

user 著者 鳥羽賢
calendar 2020年11月18日

民泊を提供する側と利用する側を仲介するサイト「Airbnb」が、11月16日にNASDAQに正式に上場を申請した。この申請は承認される可能性が高いと見られており、12月の大型IPOとしてアメリカではかなり注目されている。

売上は伸びているが純損益は!?

 民泊仲介サイトとして特に海外で広く使われている「Airbnb(エアービーアンドビー)」が、今週16日にNASDAQに正式に上場を申請した。ではこのAirbnbという企業はどういう企業なのか、まずは簡単に見てみよう。

 Airbnbは2008年8月にアメリカのサンフランシスコで創業された。簡単に言うと、ホテルではなく一般の住宅を短期的な宿として「提供したい人」と、そういった民泊に「泊まりたい」人を仲介するウェブサイトになる。

 日本では民泊という知らない人の家に泊まる行為にはやや抵抗があったものの、安倍政権時代には訪日外国人が激増したことから民泊も少しずつ増えていった。それに伴ってAirbnbの利用も拡大した。

 海外では日本以上にAirbnbの利用が広まり、現在ではAirbnbで提供される住宅は世界200ヶ国近くに存在しているという。いわば安価に旅をしたい人々、そして自宅を民泊にして副収入を得たい人々にとって御用達のサービスになっている。

 そしてAirbnbは順調に成長を続け、今年になって上場を申請した。最初は8月の時点で申請をしていたのだが、この時はまだ「秘匿扱い」の申請であり、Airbnbの業績は公開されていなかった。

 しかし今週16日になり、Airbnb はS-1という日本の目論見書に該当する書類をNASDAQ市場に提出。これによって同社の業績が公開されることとなり、上場に向けてまた一歩進んだことを示した。すでに銘柄コードも「ABNB」と決まっている模様だ。

 Airbnbの企業価値は約300億ドル(約3兆1200億円)もあると言われ、上場したら超大型IPOになることは間違いない。だが16日に提出されたS-1から読む経営状態は果たして良好だろうか?

 売上はかなりの勢いで伸びている。決算月は12月だが、2015年12月期の売上高は9億ドル(約936億円)だった。それが毎年大きく伸び、2019年12月期は48億ドル(約5,000億円)と4年間で5倍以上になった。ただし2020年になってパンデミックのために苦戦しており、2020年1~9月の売上は25億ドル(約2,600億円)で前年同期から32%ほど減少した。

 そして万年赤字体質なのが気になるところだ。過去数年の純損益を見ると、2017年12月期は7,000万ドル(約72億8,000万円)の赤字、2018年12月期は1,700万ドル(約17億7,000万円)の赤字だった。

それが2019年12月期には6億7,000万ドル(約700億円)の赤字と赤字額が激増した。さらに2020年の1~9月の9ヶ月間で、7億ドル(約728億円)もの赤字を計上している。

 一部には「Airbnbは2017年と18年の2年連続でEBITDAベースの黒字を達成」という記事もあるようだ。これは事実でありS-1にもそう記載されているが、EBITDAは一般的に企業決算として発表される純利益とは違う。また2年連続のEBITDA黒字はnon-GAAPベースというアメリカの正式な会計基準に基づいていない数字だ。

 アメリカの正式な会計基準に基づいたGAAPベースでは、Airbnbは2015~19年まで5年連続純損失を計上。また2020年12月期も損失になる可能性がかなり高い。Airbnbに投資をするなら、こういった数字を踏まえてするようにしたい。

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