本当の円高と株安はアメリカが利下げをしたら始まる!?

筆者 鳥羽賢 |

株安が続き今後アメリカが利下げをすると円高・株安になる可能性。

 2月に入ってから株式市場の暴落が続いており、先週は日経225平均が1,891円も下落した。一方株式市場が大きく下がったにも関わらず為替の方はそれほど円高にはならなかったが、アメリカが利下げをしたりすると本当の円高・株安が始まることになりかねない。

 

為替は金融政策で決まる

 

bitcoin 去年の後半から今年の1月まで日米などの株式市場が非常に好調で、日経225平均 [i] は約26年ぶりに24,000円をつけた。またアメリカでもダウ工業平均が史上最高値を更新し続け26,000ドルまで上昇するなど、リーマンショック以来最大の上昇の勢いだった。

 しかし株式市場は2月になって突然崩れる。きっかけは2月2日に発表された米1月雇用統計が好調だったために、利上げペースが加速する見通しが広まったためと言われてきた。ただそれだけの理由で先週のような暴落が起こったというより、これまであまりに大きく上昇してきたために、一気に反動がきているのだろう。

 先週は株式市場が暴落した一方で、為替市場は比較的動きが小さかった。2日発表の米雇用統計が良かったために発表後110円台まで上昇した米ドル/円は、先週は円高・米ドル安が続いたものの108円台後半で終了した。

 先週の動きを見る限り、為替市場の方は株式市場ほどの大変動期にまだ入っていないように見える。その理由として、株式市場は昨年10月以来バブルのように急騰してきたのに対し、為替はそこまで特定の通貨が高騰したわけではないことが考えられる。

 だが為替とは2つの通貨の交換比率であり、それは両国の金融政策によって大きく左右される。現在日本はゼロ金利であり、かつ異次元緩和という大規模な緩和政策を続けている。それに対してアメリカは量的緩和をすでに終了させ、政策金利も1.5%程度まで引き上げている。そして今年も3回の利上げが見込まれている。

 現在の1ドル≒108円というレートは、日米のこれほどの金融政策の差を織り込んでいるレートでもある。しかしもし、金融政策の差が縮まってきたらどうなるだろうか?日本が量的緩和を縮小したり金利を引き上げたりすることは当分なさそうだが、アメリカが金融引き締めから緩和に転換することはありえる。

 今後株安が続き、それが実体経済にも悪影響を与えるようになると、利上げが行なわれる見通しがだんだんと遠くなってくる。そしてさらに株安と景気の悪化が続くと、利下げが行なわれる可能性もある。

 利下げが行なわれたら為替は大きく円高・米ドル安に動くだろう。そして利下げが1回で終わらず、2回・3回と続いたら円高はさらに進行する。

 日本の株式市場は為替と連動して動くことが多い。だから円高が進行すると、株式市場が下がるケースが非常に多い。アメリカが将来的に利下げなどをすれば、円は急騰し日本の株式市場は急落する。考えたくないシナリオだが、このままNY株式市場の軟調な動きが続けばそれが現実になることは十分ありえる。



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筆者について
鳥羽賢

慶應義塾大学経済学部卒業。輸入業務に従事後、ライターとして2003年より主に経済分野を中心に執筆活動を行う。企業トップへインタビューした上での、ビジネス記事執筆経験多数。ポータルサイト『オールアバウト』では、「世界のニュース・トレンド」テーマなどで、数年間政治・経済ニュース記事を執筆。FXの専門誌『月刊FX攻略.com』でも各通貨ペアの特徴解説など、FX攻略記事を執筆した経験がある。主な著書に、『とにかくわかる! FX超入門者』(すばる舎)などがある。翻訳活動も行い、FX投資教材の翻訳を中心に、金融分野の翻訳実績も多数。自身でも投資を行い、FXのトレードも2006年以来7年以上にわたって継続している。