日本のIEO第4弾が正式発表

日本におけるIEOの第4弾となるニッポンアイドルトークンが、先週後半に上場予定の取引所2社によって正式に発表された。しかし最近上場した第3弾の価格は低迷しており、IEO環境は厳しい。

2社同時は初

　IEOとは企業が仮想通貨（トークン）を発行して、取引所を通して不特定多数の投資家に販売する手法のこと。販売によって得られた資金はその後の事業に活用される。世界では多く行われてきたが、日本ではこれまで3つのIEOが行われたのみだった。

　しかし昨年から発表されていたIEOの第4弾・ニッポンアイドルトークン（NIDT）の正式スケジュールが先週後半に発表された。NIDTはこれまでの3つと違って2社の仮想通貨取引所に同時に上場する。よって今回はその2社、DMM Bitcoinとcoinbookの両方からスケジュールが出された。

　その内容によると、coinbookは3月29日正午から申し込みを開始し、DMMの方は同日午後7時から申し込み開始。どちらも4月19日正午で申し込みを締め切り、4月26日に上場とのことだった。

　DMMは以前から業務を行っているが、coinbookは最近業務を開始したばかりの新興取引所。3月27日現在で取引されている仮想通貨はエイダ（ADA）のみで、NIDTが2つ目となる。

　NIDTはその名前の通り、アイドルをテーマとした仮想通貨。現在のところまだメンバーも決まっていないが、NIDTが上場する4月から将来の女性アイドルグループのメンバー募集を開始。オーディションや合宿などを経て夏には選考を終了し、年末から活動を開始するという。

　メンバーとして選ばれるのは普通の女性でバーチャルではないとされるが、活動にはNFTやメタバースなどブロックチェーン関連の技術が積極的に活用される。

　とりあえず新たなIEOが発表されたが、現在の仮想通貨やIEOの地合は良好とは言えない。少なくとも仮想通貨市場が高騰していた2021年に比べればかなり落ちるのは否めない。

　つい最近の3月16日には、日本のIEO第3弾であるフィナンシェトークン（FNCT）がコインチェックで上場された。このトークンは販売価格が0.41円で、販売開始後1時間で「募集目標金額に到達」と発表されたように人気はかなりあった方だった。

　そして上場直後には一時販売価格の約7倍となる3円をつけたのだが、その後一気に暴落。2日目以降もさえない動きが続き、3月27日現在は0.35円付近と販売価格より低い水準で推移している。

　2022年5月に上場した第2弾のFCRコインは、2.2円で売り出されたが販売価格を上回ったのは上場直後の一瞬のみ。1年近く経った今年3月は0.3円と販売価格の10分の1に近い安値で推移している。

　結局上場後に長期間いい値動きを見せたのは、仮想通貨ブームの2021年に上場した第1弾のパレットトークン（PLT）のみだった。IEOに過剰な期待はしない方がいいのかもしれない。