政府がNISAの恒久化を見送りへ

政府がNISAの恒久化を見送りへ

著者 鳥羽賢
2019年10月16日

来年度の税制改正に向けて政府は検討を続けてきたが、金融庁から提出されていたNISA恒久化の要望は見送られる公算となった。これでNISAは2023年で終了する可能性が高くなった。

好評を博してきたが…

少額投資による利益を非課税とする制度・NISA(少額投資非課税制度)は、2014年1月から実施。この制度はかなり好評で、2019年6月末時点の口座数はすでに1,100万口座を超えている(ジュニア、つみたてNISAは除く)。


NISAはもともと10年間の時限措置として始められたもので、2014~23年に買い付けた株式等が対象だった。また購入した株式等の非課税期間は買った年を含め5年間なので、2027年までは保有していることができる。


証券業界や金融庁からは、現在10年間と定められているNISAの恒久化要望が出ていた。そこで今年9月に金融庁が提出した来年度の税制改正要望には、NISAの恒久化が含まれていた。


しかしこれまで政府で検討されてきた結果、「恒久化は見送る」という結論が出たようだ。その理由について政府からは、「富裕層優遇との指摘がある」という話が出ている。NISAは2023年までなので、終了までにまた同じ要望が出るかもしれない。だが今回見送られたことで、今後も恒久化が認められる可能性は低くなった。


2014年にNISAが導入される前は、株式等に対して地方税合わせて10%の軽減税率が適用されていた期間があった。これは当時低迷する株価のテコ入れ策として、2003年1月から導入。2002年以前は軽減税率がないだけではなく、株式等への税率が地方税合わせて26%だった。


10%の税率は当初2007年までの5年間と決められていたが、証券業界からの要望により何度か延長。ようやく2013年末をもって終了し、14年1月からは代わりの優遇措置としてNISAがスタートした。


しかしこのままだと2023年をもってNISAも終わる。2003年から21年間にわたって続けられてきた株式等への税制優遇措置がなくなり、地方税合わせて一律20%(+微量の復興特別税)になる。これは個人投資家にとって株式市場に参入するモチベーションが上がる状況ではない。


2018年からスタートしたつみたてNISAは2037年まで続くことになっており、また現在購入後の非課税期間の延長も検討されている(現制度ではいつ購入しても37年まで非課税)。


だがつみたてNISAで非課税になるのは指定された投資信託のみで、株式等は対象になっていない。また年間の非課税額も40万円までとNISAよりも少ない。これではNISAの代替制度として使うのはかなり難しい。


2003年以来、軽減税率10%→NISAと続いてきた株式等の優遇税制措置だが、残念ながらこのまま2023年で終わってしまう可能性が出てきた。

 

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