8月末以来急激に進んでいる円安が先週からさらに加速し、ついに1ドル=120円の大台に乗せた。この水準は単純なレートで見ると2007年にもつけたレベルだが、実質実効為替レートではすでに変動相場制開始以来最安値レベルに達している可能性がある。
簡単に実質実効為替レートについて説明しておくと、これは1ドル=120円など一般的な為替レートではなく、各国の貿易額やインフレ率などを加味して、より経済実態に近い値に調整して出したレートのことだ。
日本の実質実効為替レートは日銀が毎月発表し、一般的なレートのようにリアルタイムで変化するものではない。また1ドル=120円のような2通貨の相対的なレートではなく、2010年を100とした単純な数字で表す。この数字が小さいほど円安で、大きいほど円高になる。言い換えると、2010年を100として、80なら2010年より円安、120なら円高ということになる。
なぜこのようなレートを計算するのか?それはインフレ率などを加味しないと、経済実態に合った「円安」「円高」の水準が分かりにくいためだ。単純な例をあげてみる。ある年にハンバーガー1個が、日本では100円、アメリカでは1ドルだったとする。その場合、1ドル=100円の為替レートだと、どちらの国でもハンバーガー1個が買える額なのでそこで「釣り合っている」のだ。
しかしここ20年ほど、日本はデフレで物価がほとんど上がらず、アメリカだけは毎年少しずつ物価が上がってきている。そこで、前の例から10年経ってハンバーガー1個が、アメリカでは2ドルになり、日本では100円のままだとしよう。そうなると同じ1ドル=100円のレートでも、それで「釣り合う」ことがなくなる。1ドル=100円では、日本人がアメリカへ行ってハンバーガーを買おうと思ったら、200円必要だからだ。こういった物価の変動などを調整したのが、実質実効為替レートになる。上のハンバーガー2ドルの例では、実質実効為替レートで見ると10年前よりもかなり「円安」になっていて、円の購買力が低い。
この実質実効為替レートで見ると、今は史上最も円安の水準になっていると考えられる。前回円安トレンドの頂点だったのは2007年7月だが、この時は米ドル/円のレートが124円ほどだった。そして7月末の実質実効為替レートは、72.81という水準だった。
実質実効為替レートは1980年以降の統計が取られているが、2007年7月の水準が1980年以降現在まで最も円安になった瞬間だ。それ以外だと、1982年10月に73.07という2番目の円安水準を記録している。一方で最も円高になったのは、初めて米ドル/円が70円台になった、1995年4月だった。この時実質実効為替レートは、150を超えていた。
では2014年現在の超円安で、実質実効為替レートはどの程度になっているのか?最新の数字は10月末のものだが、75.03だった。しかし10月末の為替レートはまだ112円で、日銀が追加緩和を発表した直後の時期だ。問題はその後11月になって円安が急激に進行したことにある。11月末には米ドル/円が119円レベルまで来ており、この時点で実質実効為替レートを計算したら、2007年の72.81を超える円安水準になっている可能性が高い。
となると、現在統計がある1980年以降で、最も円安が進行した水準になる。つまり数字の出ていない1970年代と同じ水準だ。日本や他の先進国は1971年まで固定相場制だったが、その時代や変動相場制移行直後にしか見られなかった水準で円安になっていることを意味する。言ってしまえば、現在の日本はかつてないほどの通貨安を経験しているのだ。
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