昨年から始まった安倍総理の経済政策「アベノミクス」によって、それまで1ドル=80円付近の歴史的円高であった円相場は、「円安になった」とよく言われてきた。この「円安感」を、実際の為替レートと実質実効為替レートの両方で見てみるとどうなるのか。
実質実効為替レートについて簡単に説明すると、これは主要国の為替レート同士を、各国の貿易額やインフレ率など各種経済指標を考慮して「調整して」出した、より経済実態に近い為替レートである。一般の為替レートのように、「1ドル=100円」という相対的なレートで表されず、基準年(現在の日銀公表の数値で2010年)を100とした単純な数字で表わされる。この数字が110や120など100より高ければ円高、90や80など100より低ければ円安になっていることを意味する。そして毎月1回の数値のみが出されている。
インフレ率を考慮するとはどういうことかというと、簡単な例としてハンバーガー1個が「日本:100円、アメリカ:1ドル」という価格だったとしよう。この場合、物価で見た適正為替レートは1ドル=100円だ。しかしその後アメリカだけでインフレが進行して日本はしなかったために、「日本:100円、アメリカ:2ドル」になったとする。すると、今度は物価から見た適正為替レートが1ドル=50円になる。これが実質実効為替レートの考え方だ。
さて昨年以来の円相場だが、昨年後半からはずっと1ドル=100円前後で推移している。これが「円安かどうか」については、いろいろな議論が飛び交っている。「かなりの円安水準である」とする主張は、それまで1ドル=80円だったという事実に基づいている。一方で「まだ円安ではない」という主張は、前回の円安トレンドのピークである2007年前後には、1ドル=120円だった事実に基づいている。120円に比べれば、100円前後はまだまだ円高と考えられる。
では、実質実効為替レートはどうなっているのか?
まず参考までに前回の円安トレンド時の実質実効為替レートを確認してみよう。前回の円安トレンドのピーク・2007年7月には、実質実効為替レートもピークをつけて、その時の値は79.37であった。基準が100なので、これは相当の円安水準と言える。
過去に80を切った時期をさかのぼって見てみると、なんと1982年まで戻らなくては見つからない。つまり2007年時の円安は、実質実効為替レートでは25年ぶりの超円安ということになる。
そして最近の実質実効為替レートを見ると、2014年1月時点では74.91であった。これは2007年7月よりも低い値・さらなる円安水準である。また昨年後半から断続的に、2007年のピーク・79.37を下回る値が続いている。実質実効為替レートを見る限りは、為替レートはすでに「2007年時以上の円安」が継続しているのだ。
ちなみに、現在日銀が公表している実質実効為替レートは、1980年以降のものだ。そしてその中で最も円安水準になったのは、1982年10月の73.08である(参考までに、最も円高だったのは1995年4月の150.27)。すでにこの値に近づいているし、これを超えて円安になったら
「統計の残る限り最も円安」ということにもなりかねない。
名目上の為替レートは現在でも1ドル=100円前後だが、実質的にはそれ以上の円安が進行していると見ることもできるのだ。
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