貴金属銘柄の1つ・パラジウムは2016~21年に急上昇して数年間で価格が数倍になったが、2022年以降はバブルが弾けたように急落。昨年末には2018年末以来約5年ぶりの安値をつけた。
先物市場で取引される貴金属のうち金、銀、白金(プラチナ)などは装飾品などにもよく使われるためなじみやすい一方、パラジウムはあまり身近なところでは見ない。
パラジウムは装飾品よりも、ガソリン自動車の排ガスを浄化するための触媒としての需要が大きい。一方ディーゼル車の触媒には白金が使われてきた。
NY市場のパラジウム先物の取引単位は1オンス(約31g)。そして2016年初頭には1オンス=500ドル付近で推移していた。しかし2015年9月にドイツの大手自動車メーカー・フォルクスワーゲン(VW)が、ディーゼル車の排ガステストで不正行為を行っていたことが発覚した。
自動車メーカーによる不正行為は信用を大きく傷つける。余談ではあるが日本でも昨年末にトヨタ自動車傘下のダイハツが大規模な不正を行っていたことが公表され、大問題になりダイハツ車は全車種出荷停止になった。
VWの排ガステスト不正によってディーゼル車への信用が落ち、ガソリン車の需要が高まったことで触媒としてのパラジウムの需要が増加。それが2016年以降のパラジウム高の一因になったと見られる。
パラジウム高は2019年以降に加速し、2021年4~5月には3,000ドルをつけたのだが、このあたりから流れが変わる。
流れが変わった理由の1つは、2020~21年頃から各国のガソリン車からEV(電気自動車)へのシフト姿勢が明確になったこと。将来的にEVが普及してガソリン車が減少していくことがほぼ確定したため、ガソリン車の排ガス触媒としてのパラジウムの需要も減少することが明らかになった。
またパンデミック開始に伴い2020年春から開始されてきた膨大な金融緩和も、2021年秋~翌年明け頃に終了しその後は引き締めサイクルに入る。このような地合を受けて2021年4~5月の高値をつけた後、パラジウム価格は下げが続いた。
2022年2月にはウクライナ紛争が始まり、資源や穀物の輸出が多いロシアとウクライナが戦争状態に入ったことで、先物全般が高騰。パラジウムも紛争開始直後に3,430ドルと前年の高値を大きく更新した。
だがこの高騰は瞬間的なもので終わり、同年3月中には高値より1,000ドル以上低い2,300ドルまで暴落。その後も2022年から23年にかけて下げが続き、2023年12月には930ドルと2018年末以来5年ぶりの安値まで下落してきた。
株や仮想通貨市場は堅調で、為替市場では円安が進行している。その一方でパラジウムやその他一部の先物は2021~22年をピークに大きく下落し、バブル崩壊のような動きを見せているのが特徴的だ。
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