仮想通貨関連銘柄の株価の今

仮想通貨が世界的に普及したことで仮想通貨関連企業の業績も大きく伸び、中には上場を達成した企業もある。とはいえ上場した企業は全て株価が伸びるというわけではない。仮想通貨関連企業の現在の株価はどうなっているのだろうか？

コインベースの上場後は？

　世界初の仮想通貨としてビットコインの流通が始まったのが2009年と言われる。それからわずか十数年しか経っていないが、もはや仮想通貨はほとんどの人がその存在を知るほど巨大な存在になった。

　もちろん仮想通貨を実際に買って保有している人はまだ多くないかもしれないが、少なくとも現在日本など主要国で生きている成人は大半が仮想通貨のことを知っている。

　2017～18年には最初の仮想通貨ブームがあり、仮想通貨価格が高騰するとともに知名度が飛躍的に上がった。そして2020年末以降は2度目の仮想通貨ブームになり、前回以上に価格が高騰し多くの企業が仮想通貨に投資をしたり関連サービスを開始した。

　2回の仮想通貨ブームを経て仮想通貨関連企業の業績は大きく伸び、中には時価総額が1,000億円以上になった企業も出てきている。そして上場を達成した企業もある。

　大手仮想通貨取引所として最初に上場したのは、2021年4月14日にNASDAQに上場したアメリカのコインベース（銘柄コード：COIN）だ。コインベースの上場初値は381ドル。そして同じ日には一時429.54ドルまで上昇した後大きく下落し、上場初日の終値は328.28ドルだった。

　その後5月に仮想通貨市場が暴落したこともあり、株価は上場初値の381ドルを回復できないまま数ヶ月推移。11月にはビットコインが780万円をつけるなど仮想通貨市場が回復しコインベース株も368.9ドルまで戻したが、上場初値まで届かずその後また下落。仮想通貨市場が大きく下げた今年1月24日には162.51ドルで上場来最安値をつけた。

　コインベース株の上場来高値は上場初日の429.54ドルなので、典型的な「上場直後が天井」のIPOとなってしまっている。

　世界の大手仮想通貨取引所には他にもアメリカのFTXや、中国発のバイナンスなどがある。しかしこれらはまだ上場しておらず、今後のIPOが期待されている。

　そして仮想通貨のマイニング企業でも上場済の企業がある。中国のマイニング機器企業・カナン（銘柄コード：CAN）は、2019年11月に上場。上場初値は12.6ドルで、直後に13ドルまで上昇した。

　しかしその後2020年には一時2ドルを割るほど低迷。2021年3月には一時的に39ドルにまで暴騰したが、2021年明けから春にかけてゲームストップ株のように個人がネット掲示板で団結して特定の銘柄を吊り上げるという行為が広がっていた。カナン株の暴騰もそのような動きの一環だったと見られる。その後はまた低迷時代に入り、2022年1月には3ドル台まで下げた。

　カナンと同様の中国のマイニング機器企業・エバン（銘柄コード：EBON）は、2020年6月に上場し初値は4.6ドルだった。一時は15ドルに接近したこともあったが特に2021年末頃から低迷し、今年1月25日の終値は0.8ドルと1ドルすら維持できていない。

　こうして見ると仮想通貨関連株のパフォーマンスはあまり良くないものが多い。仮想通貨がブームになっているが、仮想通貨関連株への投資は慎重になった方が良さそうだ。