今週の金融市場の動き総括、7月28～8月1日

今週は日米の政策金利発表があり、また米7月ADP雇用統計と7月雇用統計の発表もあった。政策金利発表は日米とも予想通りの比較的無難な内容だったものの、1日金曜に発表された米7月雇用統計で予想外の修正があったことで週終盤の金融市場が激変した。

前2ヶ月が大幅下方修正

　今週は日米を含む5ヶ国が政策金利を発表した。31日木曜未明にはアメリカの政策金利が発表され、予想通り4.25～4.5％のまま据え置きだった。これで米FRBは今年に入ってから5回連続で金利を据え置いている。そして発表後のパウエル議長の会見では、次回・9月のFOMCにおける利下げが明言されなかった。

　同じ日の正午頃には日本の政策金利が発表され、予想通り0.5％のまま据え置きだった。こちらもその後の植田総裁会見では、今後の追加利上げが明言されなかった。

　それ以外に発表された政策金利を見ると、30日水曜に発表されたカナダの政策金利は予想通り2.75％のまま据え置き。31日早朝に発表されたブラジルの政策金利は予想通り15％のまま据え置き。そして31日夜に発表された南アフリカの政策金利は、予想通り0.25％の利下げで7％とされた。

　そして経済指標を見ると、今週はアメリカの7月ADP雇用統計と7月雇用統計が発表された。30日に発表された7月ADP雇用統計は、予想の前月比7万5000人増を上回る10万4000人増だった。

　しかし1日に発表された7月雇用統計は、予想の前月比10万4000人増を下回る7万3000人増だった。さらに5月の数字が14万4000人増から1万9000人増に、6月が14万7000人増から1万4000人増にとどちらも大幅下方修正された。この大幅修正が今週終盤の金融市場を大きく動かすことになる。

　先週までは好調だったNY市場は今週になると上昇の勢いが止まり、ダウ工業平均は週明け28日月曜から2日連続で小幅下落。そして30日は政策金利発表の後パウエル議長が次回の利下げを明言しなかったことで、市場後半に下げて171ドル安で終了した。

　31日も330ドル安で終了した後、1日には米雇用統計が大幅下方修正されたことで場中に一時800ドル近く下げた末に542ドル安で終了。週足では1,313ドル安だった。

　東京市場は先週23日に日米の貿易合意が発表された直後に暴騰し、日経225平均は24日に42,000円をつけたが今週は軟調な1週間となった。先週23・24日の暴騰の反動で週明け28・29日と連続して数百円下落し、30日も20円の小幅安。

米政策金利発表後に円安が進行したため31日は415円上昇したものの、1日は270円安で終了。週足では657円安だった。さらに1日夜の米雇用統計発表後のNY株安によって日経225先物も800円ほど下落して40,000円を割った。

　為替市場では今週を1ドル＝147円台からスタートした米ドル/円は、政策金利発表待ちとなった週前半は緩やかに上昇。そして31日の日米の政策金利とその後の議長・総裁の会見を経て円安が進行し、一時は151円に接近した。

　だが1日の米雇用統計と前2ヶ月の大幅下方修正によって米景気懸念と米利下げ見通しが高まると、3円ほど円高になり週の始値とほぼ同じ水準で今週を終えた。

　来週はイギリスやインドなどの政策金利発表がある。しかしそれらよりも今週1日に発表された米雇用統計ショックが来週になっても残り、週前半の株式市場が大幅下落する可能性があるだろう。