今週の金融市場の動き総括、10月20～24日

今週は日米のインフレ指標が発表され、どちらもほぼ予想通りだった。そして日本では高市政権が成立したことで、東京株にとっては買い材料となり日経225平均は最高値を更新して50,000円の大台に接近した。

為替は円安が進行

　今週は日本とアメリカの9月消費者物価指数（CPI）が発表された。24日金曜朝方に発表された日本の数字は、生鮮食料品を除いた数字で予想通りの前年同月比＋2.9％だった。また同日夜に発表されたアメリカの9月CPIは、予想の前年同月比＋3.1％を下回る＋3.0％だった。

　これら以外に発表された今週の主な指標を見ると、20日月曜には中国の第3四半期GDPが発表され、予想の前年同期比4.7％増を上回る4.8％増だった。22日水曜に発表されたイギリスの9月消費者物価指数は、予想の前年同月比＋4.0％を下回る＋3.8％だった。そして24日に発表されたイギリスの9月小売売上高は、予想の前年同月比0.6％減に反して0.6％増だった。

　今週は3ヶ国の政策金利が発表された。23日木曜には韓国が金利を発表して予想通り2.5％のまま据え置きだった。同じ日にはトルコが発表し、予想通り1％の利下げが発表されて政策金利は39.5％とされた。そして24位にはロシアの政策金利が発表され、予想の1％利下げに反して0.5％の利下げで金利は16.5％とされた。

　そして今週は21日火曜に日本で首相指名選挙が行われ、自民党総裁の高市氏が第104代内閣総理大臣に選出された。高市氏の政策は減税など財政懸念を高めるものが多いと見られていたことで、総裁就任時から金融市場では円安・株高が進行。そして総理就任が決まった今週も同様の動きになった。

　21日の高市氏総理就任に先立ち、先週末中に自民と維新が連立交渉を進めて連立政権の可能性が濃厚に。さらに20日には連立を正式に発表したことで、東京株式市場は週明け20日から暴騰相場となった。

　20日の日経225平均は1,603円上昇して49,000円を回復。そして首相指名選挙が行われた翌21日は、前場に続伸して50,000円まであとわずかに迫った。そして午後1時頃に高市氏の総理就任が確定したが、その後は材料出尽くし感から売りが増えてこの日は131円の小幅高で終了。その後は23日に666円安、24日は658円高と不安定な相場が続き週足では1,717円高だった。

　一方NY株式市場は別の材料によって堅調な1週間となった。今週開始頃までには今月1日から行われてきた米政府機関の閉鎖が、まもなく終了するとの観測が流れた。この観測を受けて20日のNY株式市場ではダウ工業平均が516ドル上昇し、翌21日には218ドル続伸。22日は334ドル安、23日は144ドル高と続いた後、24日に発表された9月CPIが予想を下回ったことでFRBによる追加利下げ観測が強まりこの日は472ドル上昇。週足では1,017ドル高だった。

　また高市政権の成立によって、為替市場では週を通して円安・米ドル高が進行した。1ドル＝150円50銭から今週をスタートした米ドル/円は、週の序盤から終盤まで円安が続き24日には一時153円をつけた。

　来週は日米欧の政策金利が発表される。基本的には予想通りの発表内容になると思われ波乱の可能性は低いが、サプライズがあった場合は金融市場が大きく動くことも考えられる。そして米政府機関閉鎖の行方など、今週から引き続き政治的材料も要注視となるであろう。