世界の自動車業界のEVシフトは鮮明

トヨタ自動車が10日になって、アメリカで販売する新車の4割を2025年までに電動化する計画を発表した。世界の自動車業界の脱ガソリン、EVシフトは鮮明であり、昨年テスラの株価が暴騰したのもそれが理由と言える。

EVのテスラ株が上昇

　トヨタ自動車が10日に、2025年までにアメリカ市場で販売する新車の4割を電動化する計画を発表した。さらに2030年までに、アメリカにおける新車の7割近くを電動車にする予定と述べていた。

　昨年頃から世界各国の脱ガソリン、EV（電気自動車）を含めたエコカーへのシフトが鮮明になってきた。日本政府も昨年12月に、2030年代前半には国内でガソリン車の新車販売を禁止とする計画を発表。そして2050年頃までに国内の自動車を全て脱ガソリンにすることを目指すという。

　そしてアメリカやイギリスを初め、先進国や中国などの多くが同様の計画を発表している。環境保護意識の高まりに伴い、世界の自動車業界は今後EVを含むエコカーの販売が主流になっていくだろう。

　このような流れの恩恵を受けたのが、米電気自動車メーカーのテスラだ。テスラ株が2020年に暴騰したのはすでにマスコミでも何度も報じられている。2019年末時点の同社の株はまだ80ドルだった。ただしテスラ株は昨年8月に5分割をしているので、正確に言うと2019年末の株価は約400ドル。5分割したのでその調整を入れると、2019年末時点の実質的価値は約80ドルになる。

　しかし2020年になるとS&P500指数に採用されるとの話もあり、テスラ株は暴騰。約1年後の2021年1月8日には880ドルをつけ、1年間で10倍以上になった。またこの高騰によってCEOのイーロン・マスク氏の保有株の評価額も激増し、Amazonのジェフ・ベゾス氏を抜いて世界一の富豪の座に躍り出た。

　とはいえさすがのテスラも最近はやや停滞している。1月25日には今年の最高値である900ドルをつけたものの、それから2月10日までの2週間あまりは高値更新がないどころか、2月10日の終値は805ドルとやや下落している。

　世界の自動車のEVシフトが鮮明である以上、今後はいいEVやエコカーを製造・販売する自動車メーカーが生き残り、それができないメーカーは淘汰されていくと思われる。

　そのような流れの中、日本の自動車メーカーは生き残っていけるだろうか？日本なEVにおいて他国より遅れていると言われる。トヨタも昨年12月に政府が脱ガソリン計画を発表した時、その計画への協力を渋る発言をしていた。だが今月10日にアメリカにおける電動化シフトを発表したように、トヨタもこの流れは無視できない状況にある。これから自動車業界は大きく変わっていくだろう。