ブームは終わったが仮想通貨の普及は少しずつ進んでいる

筆者 鳥羽賢 |

昨年は世界的な仮想通貨ブームだった。

 2017年は仮想通貨が世界的な大ブームになった年だった。そして2018年が明けると仮想通貨価格は天井をつけ、その後暴落。仮想通貨のブームは一旦終わりを告げた。しかしブームが終わっても、仮想通貨自体の普及は少しずつだが進んでいると見られる。

 

価格は12~1月に天井

 

bitcoin 2017年は世界的な仮想通貨ブームがあり「仮想通貨元年」と言われたのは記憶に新しい。ビットコインは12月に1枚=230万円の史上最高値をつけ、1年前の23倍にもなった。そしてマスコミも連日のように仮想通貨やその取引で巨額の財産を築いた「億り人」を取り上げていたものだった。

 ここまでブームになったのはビットコインや他の仮想通貨の価格が高騰していたためであるが、価格高騰はいつまでも続かなかった。ビットコインは12月上旬に230万円の天井をつけてからは下落に転じ、他の仮想通貨も12~1月には天井をつけ、その後は下落トレンドが続いた。

 さらに1月下旬にはCoincheckのネム大量流出事件もあり、仮想通貨への信用が低下。それが仮想通貨離れに拍車をかけ、普段から投資をしていない人々はだんだんと仮想通貨への興味を失っていった。

 実際仮想通貨ブームが終わったのは、取引所の取引額が12~1月をピークに激減していることや、マスコミに出てくる仮想通貨の記事が減っていることからも明らかと言える。しかし、仮想通貨自体が世界から消えたわけではない。

 今年になってから、仮想通貨業界への大手企業の参入が相次いでいる。Coincheckはすでにネット証券大手のマネックスに買収された。FX業界で口座数国内1位のDMMも、仮想通貨取引所を開設した。またスマホアプリのLINEも、仮想通貨業に参入とすでに発表している。

 他業界の大手企業が独自の仮想通貨を発行する動きも拡大している。メガバンクの三菱UFJ銀行は、独自仮想通貨の「MUFJコイン」の発行準備を進めている。またオンラインショッピングの楽天も、ロシアで独自の仮想通貨「楽天コイン(仮)」を発行すると発表した。

 このように昨年のような急激な拡大が見られるブームではないが、今年になってから仮想通貨の普及はゆっくりと進行するようになった。そして最近あった面白い事件が、兵庫県警が駐車違反の反則金滞納のために仮想通貨を差し押さえたことだ。

 この事件は兵庫県内に住む50代の男が駐車違反で取り締まりを受けたが、男は反則金の滞納を繰り返していた。そこで差し押さえに踏み切ったが、現金ではなく仮想通貨約5,000円分を差し押さえたとのことだった。これは警察が仮想通貨を差し押さえ対象にした全国初のケースだという。

 以上いくつかの事例に見られるように、昨年のブームが終わっても少しずつ仮想通貨は普及してきている。しかし昨年のような価格高騰がいつまた起こるかは、誰にもわからない。



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筆者について
鳥羽賢

慶應義塾大学経済学部卒業。輸入業務に従事後、ライターとして2003年より主に経済分野を中心に執筆活動を行う。企業トップへインタビューした上での、ビジネス記事執筆経験多数。ポータルサイト『オールアバウト』では、「世界のニュース・トレンド」テーマなどで、数年間政治・経済ニュース記事を執筆。FXの専門誌『月刊FX攻略.com』でも各通貨ペアの特徴解説など、FX攻略記事を執筆した経験がある。主な著書に、『とにかくわかる! FX超入門者』(すばる舎)などがある。翻訳活動も行い、FX投資教材の翻訳を中心に、金融分野の翻訳実績も多数。自身でも投資を行い、FXのトレードも2006年以来7年以上にわたって継続している。