去年まで1.2という対ユーロの上限を設定していたスイスフランだが、スイス中銀(SNB)が今年1月15日に突然その上限を撤廃した。予告なしの上限撤廃によってスイスフランは歴史的な大暴騰を見せ、対円では瞬時に110円台から160円付近まで、4000pip以上も上がってしまった。これほどまでに急激に暴騰したのは、上限を設定していた特殊な状況がその背景にある。
外国為替市場でレートの方向を決めるのは、基本的には買い注文と売り注文の量だ。買いが売りより多ければレートは上がるし、反対に売りが多ければ下がる。あるいは為替の場合は2通貨の相対取引なので、米ドル/円の例で言い換えてみよう。米ドル/円レートは円買いの方が多ければ円高(ドル安)になるし、ドル買いが多ければ(円安)ドル高になる。
通常の為替市場では、常に大量の注文が市場に出ている。例えば米ドル/円が現在120円だとすると、120円以下には「ドル買い・円売り」の注文がズラリと並んでいる。これは普通の投資家が見ることはできないが、外国為替市場の「神様」のような存在がいて全てを見通ししていたら、そのように見えるはずだ。ちなみに現在のレート以上、この例でいうと120円以上の「ドル買い・円売り」注文は、すぐに約定となるので市場に残らない。
反対に現在のレートである120円以上の価格帯には、「円買い・ドル売り」の注文がズラリと並んでいる。円買いの場合も120円以下で注文が出されると即約定となるので、市場には残らない。
外国為替市場、特に円や米ドルのような流動性の高いメジャー通貨は、どんな時でも市場に大量の注文が並んでいて、それがなくなることはほとんどない。だから何らかのドル売り材料が出て、レートが現在の120円よりも下がったとしても、増えたドル売り注文を120円以下の価格帯で市場に出されている「ドル買い・円売り」注文が吸収する。そのようなメカニズムがあるので、極端な動きは起こらない。
しかし上限撤廃以前のスイスフランは事情が違っていた。ユーロ/フランのレートに1.2というSNBが定めた上限値があったので、1.2より下で「ユーロ買い・フラン売り」の注文がほとんど出ていない異常な状況にあったと思われる。
それはどういうことか?何らかの事情でレートが1.2を超えて下がると、ユーロ売り・フラン買いの圧力に対抗できるだけの「ユーロ買い・フラン売り」注文が全くないので、レートは歯止めが効かずにどこまでも下がってしまう。
外国為替市場は両側から力を入れて押し合っているような場で、押す力が強い方向に進んでいく。ところがスイスフランの上限は、そこに意図的に「壁」を置いていたようなものだ。「壁」があるので壁の裏側の人達は押すことを止めてしまったが、一方表側からは相変わらず押し続けている。
それがある日突然「壁」が取り払われてしまい、表側の人達はこれまでと同じ力で押し続けて勢いがあまり過ぎて一気に遠くまで進んでしまった。スイスフランが一瞬で4000pipも動いたのは、このようなメカニズムのためだ。
またユーロ買いポジションを持っていた投資家の多くが、1.2のすぐ下でストップを入れていたことも原因の1つと考えられる。1.2の上限があった時期、多くの投資家は1.195など1.2からすぐ下にストップを入れていた。それらのストップが上限撤廃後に一斉に発動し、さらにフランを押し上げることになった。
メジャー通貨としては異例な1.2という上限を設定していたユーロ/フランだが、そのような特異な状況が、一瞬で4000pipという異常な急上昇を引き起こしたと言える。
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