スイスの中央銀行であるスイス国立銀行(SNB)が今日の日本時間午後6時40分頃、2011年9月から設定していたユーロ/スイスフランの上限・1.2を、撤廃すると突如発表した。この発表後、スイスフランが通常ではありえない大暴騰を見せている。
スイスフランは以前はそれほど「強い通貨」として認識されていなかったが、リーマンショック以後は比較的「安全な通貨」と認識され、買われることが多くなっていった。対ユーロのレートで言えば、リーマンショック前の2007年頃にはユーロ/スイスフランが1.6前後だったのだが、リーマンショックの頃からずっと下降トレンドが進行。2011年夏にはついに対ユーロレートとしては史上初の1.0にまで近づいた。
しかしスイスにも時計を初めとした輸出品があり、スイスフランが極端に高くなると輸出に悪影響が出てくる。そこでスイスはフラン高を止めるための強硬的な措置として、2011年9月に対ユーロのレートに「1.2」という上限を設定した。そして上限ラインを防衛するために、「上限を超えそうになったら無制限に介入する」と宣言した。
この発表に対して為替市場は即座に反応し、発表前に1.2より下にあったユーロ/フランのレートは一瞬にして1.2以上に上昇。その後今日まで3年以上、レートが継続的に1.2を下回ったことは一度もなかった。
ところが2015年1月15日の今日、SNBが突然「スイスフランの上限を撤廃する」と発表した。今日はもともとスイスの政策金利発表は予定されておらず、サプライズの発表だった。また同時に、12月に-0.25%に設定して史上初のマイナス金利とした政策金利中央値を、さらに0.5%引き下げて-0.75%とすると発表した。
このサプライズのために、スイスフランが通常ではありえないほど高いボラティリティで大変動することになった。最初に1つ断っておきたいのだが、今回の動きは余りに変動幅が大きいので、FX業者によって提示したスイスフランのレートにかなり差が出ていた。業者によっては、この記事で述べるレートとはかなり違うレートも出ていたことに注意して欲しい。
さて、レートだが、ユーロ/フランのレートはそれまで上限の1.2を上回っていたのだが、発表直後になんと0.8程度まで一瞬にして下落した!これはわずか10分程度で4000pipもの大変動になる。こんな動きは普通では考えられない。発表後1時間経過した時点では、1.0付近でやや落ち着いている。
スイスフラン/円のレートを見ると、発表前は115円台だったのが、発表直後になんと160円まで上昇してしまった!一瞬でクロス円レートが40円も動くことが、かつてありえただろうか?今日の変動を目撃している私達は、為替レートの歴史的な大事件を目撃していることになる。こちらも発表後1時間程度経ったら、132円前後でやや落ち着いている。
SNBは上限撤廃について、まだ明確な理由の説明を行っていない。ただ推測するに、去年から次々と出されるECBによる金融緩和措置、そして今年中に開始される量的緩和措置などを受けて、もはや上限を維持することは「無理」と判断したための撤廃だと思われる。
やはり何が起こるか分からないのが、為替取引の怖いところでもある。上限が設定されていたために、安心してユーロ/フランや他の通貨とのフランショートをストップなしで持っていた投資家は、強制ロスカットは免れない。どんな時でも適切なストップを入れておくべきと教えてくれる今日の発表・大変動だった。
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