トルコの通貨リラは11月下旬に大暴落。リラの暴落とともに国内のインフレも急激に進行しており、トルコ国民の生活は厳しい状況に追い込まれている。国民生活が苦境に陥っていることでエルドアン政権の土台も揺らいでいる。
トルコリラは11月下旬に大暴落した。きっかけとなったのは11月18日に3ヶ月連続となる利下げを発表したことと、エルドアン大統領が何度も利下げを賞賛する発言をしたこと。エルドアン大統領が利下げを賞賛したことで、中銀は今後も利下げを続け利上げはないだろうと市場が判断。それが大規模なリラ売りにつながった。
米ドル/トルコリラは11月15日時点では1ドル=10リラだったが、その後大暴落し23日には13.5リラと15日時点より35%も価値が下がった。トルコリラ/円も同様の動きで、11月15日時点では1リラ=11円40銭だったレートは11月末までに8円20銭台までリラ安になった。
そして為替市場におけるリラ安は、国内のインフレをさらに悪化させている。12月3日に発表されたトルコの11月消費者物価指数は、予想の前年同月比+20.70%を上回る+21.31%だった。この数字は今年最大であると同時に、今年初めて20%を超えた。
インフレが酷いために庶民は日々の食べる物を買うことにも困り、最大都市のイスタンブールでは安いパン屋に大行列ができているという状態だ。
トルコは慢性的にインフレ率が高い国なので市民もある程度のインフレは慣れているだろうが、ここ最近はインフレが一段と悪化している。この状況では市民のエルドアン政権への不満は高まる一方だ。
しかしエルドアン政権である限り、インフレの鎮静化は期待できない。セオリー通りなら、通貨安とインフレを止めるためには金利を上げないといけない。しかしエルドアン大統領は「金利を下げればインフレは止まる」という独特の持論を持っている。この持論に基づき、これまでずっと中銀の利上げに反対し利下げ圧力をかけ続けてきた。
トルコでは次の総選挙と大統領選が遅くても2023年6月に行われる予定だが、エルドアン大統領は期限ギリギリの2023年6月まで選挙を行う予定はないと述べている。選挙がなければ政権交代はなく、現在のエルドアン政権と利下げ圧力は続く。
こうなるとトルコ国民としてはクーデターでも起こして政権を力づくで奪うしかない。と言いたいところだが、トルコは2016年7月に軍部によるクーデター未遂があったが、失敗に終わってしまった。そしてその後はエルドアン政権によって各種法律が改正され、クーデターの再発防止のために反対派に厳しい弾圧を行うことができるようになった。現在の状況ではクーデターを起こし成功させることは難しい。
トルコ中銀は12月1日、3日、10日と、12月上旬だけで3回も為替介入をしてリラ安を食い止めようとした。12月になってから次の節目である1ドル=14リラをなかなか越えないのは介入のためだが、これもかろうじてリラ安を止めているだけにすぎない。
結局エルドアン大統領が心を入れ替えて、金利を上げてインフレに対処しようと思わない限り、トルコのインフレとリラ安はまだまだ続くだろう。そしてトルコ国民と企業にとって厳しい状況も続く。
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