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やはり何が起こるかわからない仮想通貨市場

user 著者 鳥羽賢
calendar 2020年12月23日

11月下旬に高騰して市場を湧かせた仮想通貨のリップルだが、12月22日には米SECによって運営元が訴えられた。提訴を受けてリップルは暴落しており、11月の熱狂からわずか1ヶ月で地に叩きつけられた形になった。

リップル社の販売が違法と主張

 12月22日になって、仮想通貨のリップル(XRP)を運営するリップル社が、米の証券業界を監督するSEC(証券取引委員会)によって提訴された。なおこの記事ではXRPの運営元のリップル社と仮想通貨を区別するために、仮想通貨の方は「XRP」と表記する。

 提訴の内容は以下のようになる。XRPはリップル社が管理しており、かつ発行済総数の1,000億枚のうち50~60%をリップル社が保有している。このような状態でXRPを「通貨」と呼ぶことは難しく、むしろ有価証券に該当するとSECは主張している。

 そしてこれまでリップル社はXRPを直接投資家に販売して10億ドル以上を調達してきた。その際に経営情報の開示などを行わずに販売されたので、そういった行為が違法行為にあたるという内容だった。

 リップル社のガーリングハウスCEOは提訴前にその可能性を一部メディアに語り、語った内容が日本時間の22日朝頃に流れた。そして同日の夜頃には、SECに提訴されたという正式な情報も出た。

 SECによる提訴の情報を受け、22日朝以降XRPが暴落。22日早朝には55円だったXRPのレートは、夕方頃までに10%以上下落し47~48円になった。さらに正式提訴の話が出回った23日未明以降は下げが加速し、23日午後2時頃には35円をつけた。22日早朝からの24時間あまりで、35%以上も大暴落したことになる。

 XRPといえば11月下旬に高騰して仮想通貨市場では大きな話題になった。ビットコインは10月下旬から高騰していたが、それに比べると11月前半になってもXRPや他の仮想通貨はあまり動かなかった。

 しかし12月12日にSparkトークンのスナップショットが控えていたことなどを材料にして、11月21日頃から突然高騰。11月上旬には25円付近だったレートは、11月24日には77円と約3倍になった。

 XRPの高騰で仮想通貨市場は湧いたのだが、そのわずか1ヶ月後にはリップル社がSECに提訴されて暴落した。このような極端な動きを見ると、改めて仮想通貨市場は何が起こるかわからない相場であることがわかる。

 今回のSECによる提訴も予想することは難しかった。すでに民間を原告として虚偽宣伝などで提訴されていたが、それはSECの提訴とは別物だった。またSECの提訴が予想できたとしても、それを材料としてここまで暴落すると予想できただろうか?改めて仮想通貨への投資はハイリスク・ハイリターンであることを示したXRPの値動きだった。

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