さらに破綻リスクが高まるドイツ銀行

さらに破綻リスクが高まるドイツ銀行

著者 鳥羽賢
2019年07月2日

数年前から経営危機が叫ばれてきたドイツ銀行だが、最近になって全世界で最大2万人の人員削減計画を進めていると報道された。CDSの問題もあり、ドイツ銀行の破綻リスクはさらに高まっている。

日本と同様銀行は衰退へ

ドイツ銀行とはドイツの民間銀行で、中央銀行ではない。国の名前がついているが、ドイツにとっての中央銀行は欧州中央銀行であり、固有の通貨を持たないドイツは単独の中央銀行も持っていない。


そしてドイツ銀行は、ここ数年経営が危ない状態にあるとよく言われるようになった。経営危機に陥っている理由はいくつもあるが、まずは過去にLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)を不正に操作する事件を起こしていたことがある。この事件によってドイツ銀行は英米の金融当局に25億ドル(約2700億円)もの制裁金を課され、さらに世界各国の企業から損害賠償を求めて訴えられた。


また日本と同じで、銀行業界の長期的な衰退もある。最近では欧州も日本のように超低金利政策が長期化し、銀行業界は収益が圧迫されている。それに加えてインターネット銀行の発達などにより、既存の銀行は業務を縮小せざるを得なくなっている。


昨年11月にはドイツ銀行がマネーロンダリング(資金洗浄)に関わっていたとの疑惑が浮上し、ドイツの金融当局からの捜査も受けた。この捜査によって経営危機懸念が高まり、捜査直後はドイツ銀行の株は下落した。


さらにドイツ銀行にはCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の問題もある。CDSとは金融市場における「保険」のようなもので、会社や社債、国や国債の破綻を懸念する者が購入する。購入したら毎年プレミアム(保険料のようなもの)を支払わないといけないが、その代わりに該当の国や企業が破綻したら国債や社債を補償してもらえる。


ドイツ銀行はCDSを大量に発行して売っており、それがドイツ銀行にとって爆弾になると見られている。例えばギリシャ国債のCDSも売っているが、ギリシャ国債がデフォルトしたらドイツ銀行は買い手に多額のお金を支払わなくてはならない。


そして最近になって、ドイツ銀行が全世界で最大2万人の従業員を削減する計画を進めているとの報道が流れた。ドイツ銀行の従業員数は全世界で9万人ほどなので、最大で20%以上の従業員がリストラされることになる。


株価も当然ながら下がっており、リーマンショック前の2007年には150ドル近くあったNY株式市場のドイツ銀行株は、現在では7.5ドル付近と20分の1になっている。ダウ工業平均は2007年のピーク時の2倍近くになっているので、ドイツ銀行株のパフォーマンスがいかに悪いかわかるだろう。


ドイツ銀行は欧州で最大手クラスの銀行であり、ここが破綻したら2008年にリーマン・ブラザーズが破綻して起こったリーマンショックのような金融危機がまた起こることが懸念される。そしてそれは近い将来現実に起こりうる可能性もある危機なのだ。

 

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