水原一平氏の事件について（2）

21日になり、MLBロサンゼルス・ドジャースでプレイする大谷翔平選手の通訳だった水原一平氏が、違法賭博への関わりを理由に球団から突然解雇された。衝撃的なこの事件によって、関係者はどのような罰を受けるのか？

課される可能性のある罰は？

水原一平氏の事件について（1）からの続き

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Q：ボウヤーはどのような罰を受けるか？

　賭博を運営していたマシュー・ボウヤーについては賭博運営行為で有罪となれば、軽微な罪ならカリフォルニア州刑法に基づき「州刑務所で懲役1年以内、罰金5,000ドル（約75万円）以下、またはその両方」の懲罰が課せられる。ただしこれは初犯の場合で、再犯以上だとさらに重くなる。また悪質な場合も、懲役2～3年程度まで重くなる。

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Q：水原氏は賭博でどのような罰を受けるか？

　賭博行為に参加していた水原氏だが、カリフォルニア州刑法第330条には賭博参加への罰則として「郡刑務所で懲役6ヶ月以内、罰金100ドル以上1,000ドル（約15万円）以下、またはその両方」とある。

　だがこの条項で明確に述べられている賭博行為とは、ルーレットやトランプゲーム（ポーカー等）などを使った賭博であり、ブックメーキングがない。したがって水原氏が賭博行為で罰を受けるか現時点ではわからない。

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Q：水原氏は大規模窃盗でどのような罰を受けるか？

　水原氏は大谷選手のお金を口座から無断で送金した「大規模窃盗」の疑惑がかけられて解雇された。ここで言う「大規模窃盗」とは単に金額が450万ドルと大きいという意味ではなく、カルフォルニア州刑法で「950ドル（約14万3000円）以上の窃盗は大規模窃盗」と定められており、それに該当するという意味。

　大規模窃盗の罰則は「郡刑務所で懲役1年以内、罰金5,000ドル（約75万円）以下、またはその両方」ではあるが、額が多いなど悪質な場合はもっと重くなる。仮に450万ドルの窃盗で有罪になった場合、1年以内ではなくさらに長くなるであろう。

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Q：大谷選手が罰を受ける可能性はあるのか？

　これまでの説明では、水原氏が無断で大谷選手の口座から多額を送金したとされる。これに対して一部には「送金先が違法賭博の相手であると大谷選手が知っていた場合、大谷選手も捜査対象になる可能性がある」との声がある。

　しかし大谷選手は賭けたわけでなく単に口座から送金されただけなので、捜査の対象になったとしても刑事罰まで課される可能性は極めて低い。ただしMLBには選手や球団関係者の賭博行為への関わりを禁止する規約があり、知っていて送金した、あるいは送金を許した場合MLBから何らかの処分がある可能性は残る。

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Q：税務当局から捜査も？

　さらに日本の国税庁に該当するIRS（内国歳入庁）も、水原氏に対して捜査を開始したとの情報が流れている。これは多額の送金が贈与に該当し贈与税を支払う義務があるためかもしれないとの推測ができるが、現時点で詳細はわかっていない。

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　大谷選手は最近10年1,000億円の契約を締結した上に結婚を発表して誰もが「世界で最も成功したアスリート」の1人として認める存在になったが、そのようなムードに冷や水を浴びせる今回の事件となった。