水原一平氏の事件について（1）

21日になり、MLBロサンゼルス・ドジャースでプレイする大谷翔平選手の通訳だった水原一平氏が、違法賭博への関わりを理由に球団から突然解雇された。日米の野球界に衝撃をもたらしたこの事件は、野球だけではなくマネーに関わる事件として検証する価値がある。

ある男と知り合ってハマる

　21日の朝方に、MLBのロサンゼルス・ドジャースでプレイする大谷翔平選手の通訳を長年務めていた水原一平氏（以下、「水原氏」）が、違法賭博への関わりを理由に球団から突然解雇された。ドジャースは開幕戦のために韓国に遠征している最中だった。

　大谷選手は昨年オフに10年間で約1,000億円にもなるスポーツ界史上最大級の契約を締結したばかりで、これからドジャースで輝かしい活躍をすると期待されてきた矢先のこの事件となった。

　野球界で起こったとはいえ、解雇された理由が違法賭博への関わりと、そして大谷選手の口座から無断でお金を引き出した大規模窃盗疑惑という「マネー」にも大きく関わりがあるこの事件を詳しく検証してみよう。

　なおこの事件はまだ不透明な部分が多く、今後の展開次第で事態が急変する可能性もある点をご留意願いたい。

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Q：事件の始まりは？

　事件は水原氏が違法な賭博に関わったことから始まった。ここで行われた賭博は「ブックメーキング」と呼ばれるもので、スポーツの試合の勝敗など結果を予想して賭ける単純なルールのもの。オンラインで行われているものも多くある。単純ではあるが中毒性があり、水原氏はハマってしまったようだ。

　このような賭博行為は禁止している国も多く、日本でもサッカーくじのtotoなど公営のものを除き禁止されている。アメリカでは50州中38州と首都・ワシントンDC で解禁されているが、ドジャースのいるカリフォルニア州では違法だった。

　なお水原氏が賭けたのは主にバスケ（NBA）やアメフト（NFL）など野球以外のスポーツの試合。水原氏はこの件への追及でも、「野球の試合には一切賭けていない」と発言していたようだ。

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Q：いつから、どのようにしてハマっていったのか？

　水原氏がハマったスポーツ賭博は、マシュー・ボウヤーという48歳の男によって運営されていた。ボウヤーはロサンゼルスの南東、ディズニーランドがある地区に住んでいる。そして水原氏とは「共通の友人を通して」2022年に初めて会ったと言われ、会って以降賭博に勧誘されて水原氏がハマっていったようだ。

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Q：なぜ大問題になったのか？

　水原氏は賭博を続けているうちに負けが多くなり、多くの借金を抱えてしまった。そしてある日、水原氏の借金の支払いとして450万ドル（約6億8000万円）が賭博業者に振り込まれていたのだが、これが大谷選手の口座から振り込まれていたという。

　この振込が行われたことで、水原氏や大谷選手と賭博の関わりが明らかになり問題となった。問題となった理由の1つは、まず水原氏の行っていた賭博が違法だったこと。そして水原氏の借金なのに大谷選手の口座から振り込まれていたので、水原氏が無断で他人の資金を盗んだ「大規模窃盗」の容疑もかけられている。

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水原一平氏の事件について（2）へ続く