21日発表の政策金利のまとめ

21日は米英を初め6ヶ国が政策金利を発表。そのほとんどは予想通りの内容だったが、トルコのようにサプライズを発表した国もあった。21日に発表された内容をまとめてみる。

スイスとトルコがサプライズ

　21日はアメリカやイギリスを初め、多くの国が政策金利を発表する政策金利発表ラッシュの日だった。この日に発表された内容を振り返ってみる。

　まず午前3時には21日の政策金利ラッシュの中でも注目度が高い、アメリカの発表があった。発表された金利は大方の予想通り5.25～5.5％のまま据え置きだったが、同時に参加者による今後の金利予想を示す図、通称「ドットチャート」が発表された。

　その内容によると、今年末までに「2回」の利下げが行われると予想する参加者が前回より増えていた。ただし「3回」を予想する参加者もまだ多いが、この発表によって最初の利下げは7月になるとの見方が増えた。

　午前6時半にはブラジルが政策金利を発表し、予想通り0.5％の利下げが発表されて金利は10.75％とされた。

　午後5時半にはスイスが発表し、予想の1.75％据え置きに反して0.25％の利下げが発表されて1.5％とされた。スイスは3ヶ月に1回のみの発表であるが、昨年6月に最後の利上げを発表した後9月、12月と2回連続で据え置き。そして今回は早くも利下げに入った。

　午後6時にはノルウェーが発表し、予想通り4.5％のまま据え置きだった。

　午後8時にはトルコが政策金利を発表。予想は45％のまま据え置きだったものの、サプライズで5％の利上げが発表されて50％とされた。トルコは昨年6月から今年1月まで8ヶ月連続で利上げを発表した後、2月に9ヶ月ぶりの据え置きを決めた。しかしトルコのインフレ率は高止まりしており、インフレを食い止めるために今回再度利上げを発表したようだ。

　発表前は1ドル＝32.4リラ台だった米ドル/トルコリラは、サプライズの利上げを受けて発表後に31.8リラ付近までリラ高になった。ただしこのリラ上昇幅は小さく、根本的なインフレやリラ安対策とはならないと思われる。トルコリラ/円も同様で発表前には1リラ＝4.7円付近だったレートは、発表後数時間で4.8円になった。

　午後9時にはイギリスが発表し、予想通り5.25％のまま据え置きだった。しかしこれまで一貫して利上げを主張してきた参加者が据え置きに姿勢を変えていたことで、今後の追加利上げ見通しが後退。さらに将来の利下げ観測が台頭し、発表後のポンド/円は円高・ポンド安に動いた。

　21日に発表した6ヶ国中4ヶ国は予想通りの内容だったが、スイスとトルコでサプライズがあった。そして22日午前4時にはメキシコ、午後7時半にはロシアが発表を予定しており、今週の政策金利発表ラッシュはまだ続く。