東証が9月にアローヘッドをリニューアルへ

user 著者 鳥羽賢
calendar 2018年12月17日

東証は2010年1月から、独自に開発した株式売買システムアローヘッド(Arrowhead)を運用している。これは近年ますます高速・複雑化する株式取引に対応するために、株式の売買注文取次・処理をさらに高速・安定化させるための新しいシステムだった。そのアローヘッドが、今年9月にはリニューアルされる予定になっている。

2つの事件の後に導入

アローヘッドという新システムの開発・導入を東証が決定したのは、2つの大きな事件があったためだ。1つ目は、2005年12月にあったジェイコム株誤発注事件。この年の12月8日に、ジェイコムという派遣会社の株が東証マザーズに上場した。

個人投資家にとっては、新規上場したばかりの株を空売りすることはできない。しかし機関投資家ならそれができる。そしてジェイコム株をトレードしていたみずほ証券のトレーダーが、「61万円で1株」という空売り注文を出すべきところを間違えて「1円で61万株」というありえない売り値と株数で注文を出した。これによってジェイコム株の取引が一時停止されるなど大混乱が起こった事件だ。

2つ目はライブドアショック。これはジェイコム株誤発注事件の翌月、2006年1月に起こった事件だ。ライブドアショック自体は、ライブドアが不正な決算を発表していた事件であり、直接的に東証のシステムには関係ないように思われる。しかし問題はこの事件発覚によって、日本の株式市場にパニックが広がったことだ。

パニックになったのは、2005年後半に株価が上昇を続け、多くの新規個人投資家が市場に参入してきた背景がある。いわばライブドアショック当時、投資家人口が近年稀に見るほど増えていた。電車の中で学生が株の話をしている光景もよく見られたほどだ。

そのような背景があったところでライブドアショックが起こったため、個人投資家が一斉に株を売りに出し、東証にはこれまでにない規模で注文が殺到した。その結果、1月16日夜にライブドア強制捜査のニュースが流れてから2営業日目にあたる18日に、東証が午後3時の引けを待たずして午後2時40分頃に全取引を停止するという前代未聞の事態が起こった。停止したのは、システムにおける1日の約定件数の上限である450万件に近づいたためだ。

この事件のために、翌19日から東証は、それまで午後0時半~3時の2時間半だった後場取引を、短縮して1時開始の2時間とした(これは4月24日まで継続)。そして約定件数が上限に近づきそうだったら、引けを待たずして取引を終了させることがありうると予告していた。

このような2つの事件のために、東証はシステムの大幅な増強の必要性を認識。2006年9月からアローヘッドの開発に乗り出し、2010年1月から運用を開始することとなった。

しかしシステムの世界は日進月歩であり、それは金融の世界も同じだ。東証はさらに高速・複雑化する株取引に対応するために、アローヘッドをリニューアルして今年9月から運用開始する予定でいる。

とにかくここ10年ほどは、投資家側もコンピューターを使った高速取引を行っているために、注文件数の増加が著しい。上記の2つの事件が起こる前、2005年半ばの東証の注文処理能力は、1日あたり620万件だった(前述の約定件数上限450万件とは別)。

しかし「株式市場が低迷している」と言われていた2010年でも、1日あたりの平均注文件数は820万件と2005年当時の処理能力を上回っている。そしてアベノミクスで株式市場が活況になってきた2013~14年になると、なんと1日あたり2000~3000万件の注文が出ることもザラになってきている。これはヘッジファンドがコンピューターを使った高頻度取引(HFT)などを行っているためだ。

今年9月のリニューアルでは、処理能力がさらに向上されるという。だんだんと株取引が個人投資家の手に負えなくなってきている感はあるが、東証の処理が安定するのは歓迎すべきことだろう。

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