今年上半期は日本の株式市場の下落率が際立っていた

今日で6月が終わり、同時に今年の上半期が終わる。ここで2016年上半期の金融市場の動きを振り返って見ると、株式市場の中では特に日本の株式市場の下落率が際立って高かったことがわかる。

中国安と円高で日本株安

今日で今年の上半期の6ヶ月間が終了した。ここで金融市場の上半期の動きを振り返ってみよう。2016年の上半期は特に日本にとって厳しい6ヶ月間だったが、それは円高と株安が急激に進行してきたことに表れている。

日本の株式市場は、去年の夏まではアベノミクスの金融緩和を背景として順調に上昇。2015年夏には15年ぶりに日経225平均が20,000円を超えた。しかし夏に中国の株式市場が暴落し、そこから歯車が狂い始める。

去年8月以降は中国の暴落を受けて日本の株式市場も下落に転じ、去年の日経225平均の終値は19,033円だった。年が明けるとまた中国市場が暴落したため、日本の市場も下落が続く。そして上半期末となる6月30日の終値は、15,575円だった。これで上半期の下落率は18％にもなり、他国の市場と比べても際立って高い。

欧米の株式市場はまだ30日が終了していないが、29日の終値をベースにして上半期のパフォーマンスを見てみる。アメリカのダウ工業平均は、下落せずにむしろ数％上昇している。アメリカは経済自体が堅調なのでこの結果になったと思われるが、世界各国が下げる中でのプラスは驚異的だ。

ドイツのDAX指数は11％安。イギリスのFTSE100は1％高、フランスのCAC40は10％安だった。EU離脱で揺れたイギリスが、他の欧州各国に比べて良いパフォーマンスを維持している。

アジアに目を向けると、韓国のKOSPI指数はほぼ変動なし、マレーシアのKL総合指数は3％安だった。ただ暴落の震源地・中国の上海総合指数は、日本と同じ18％下げている。

このように世界各国の株式市場はそれほど下がっていないのに、日本だけが大きく下げた。その理由の1つとして、今年上半期には為替が大きく円高・米ドル安になったことがある。

米ドル/円は去年の年末時点で120円だった。1月は円高にならずむしろ1円円安になったが、2月以降急激に円高が進行。6月末時点で103円と、半年間で17円も円高になった。米ドル/円が半年間で17円円高になるのはかなり異例で、リーマンショックのあった2008円下半期ですら、106→93円と13円の円高だった。半年で17円の円高は、少なくとも過去13年では一度もない。

このように、1月は中国の暴落に影響され、2月以降は円高によって下がり、今年上半期の日経225平均は18％安という稀に見る下落率で終わった。アベノミクスで2015年夏まで3年ほど上昇してきた日経平均だが、その神通力も消えかけている。