トルコリラは昨年8月に大暴落。しかしその後はトルコ政府と中銀のなりふり構わない政策のため下げ止まったかに見えた。だが昨年8月ほどの大暴落ではないものの、今年になってからはまたリラ安が続いている。
もともとトルコは通貨が不安定な国で、インフレと通貨安が長期的に続くのが普通だった。そのため通貨・リラも2014年頃から下落が続き、昨年の8月10日には1日で1米ドル=5.5リラから6.6リラまで20%も下げる大暴落が発生。トルコリラ/円もこの日には20円から16円台まで大きく下落した。
週末をはさんだ13日にはリラは対米ドルで7リラ、対円で15円台まで下落。しかしこの後はトルコ政府や中銀がリラ安対策を次々と打ち出してきたため、リラレートは8月13日を底にその後は回復していった。
だが今年になってから、暴落ではないものの緩やかなリラ安が続いている。米ドル/トルコリラは昨年11月下旬がリバウンドのピークで、1米ドル=5.13リラと8月10日の暴落前まで戻ってきた。しかしそれをピークに今年にかけてまたリラ安が続き、現在では5.82リラ付近にある。
トルコリラ/円も同様で、8月に15円台まで落ち込んだ後12月上旬には22円までリバウンドしてきたが、その後は下げに転じ現在では19円付近にある。
このようなリラ安が続いている理由は何だろうか?短期的には、3月31日に行われた統一地方選でエルドアン大統領の与党が振るわなかったことがあると考えられる。エルドアン政権が揺らぐと、今後の経済運営に対する懸念が高まりリラ売りにつながる。
そしてアメリカとの関係もまたギクシャクしてきている。最近トルコはロシアからミサイルを買おうとしており、アメリカはそれをよく思っていない。昨年8月の暴落は、トルコで拘束されているアメリカ人牧師の解放を要求し、トランプ大統領が「トルコへの関税を2倍にする」と発言したことがきっかけとなった。
さらに長期的には他の要因も考えられる。トルコは暴落後に金利を大幅に引き上げ、昨年9月には24%にした。しかし景気への悪影響を懸念し、その後は利上げを行っていない。利上げが止まっているので、24%の政策金利もこれ以上リラ安を止める効果がだんだんと薄れてきている。
また過剰な利上げは景気を冷え込ませている。リラ安を止めるために24%まで金利を上げたのは良いが、それがトルコ経済をかなり減速させている。景気の悪化は結局リラ売りにつながり、本末転倒となっている。
そして欧州の景気減速感が高まっていることも大きい。トルコは欧州のすぐ側にあり、当然ながらその経済は欧州経済の影響を大きく受ける。欧州経済の減速はトルコ経済の減速につながり、それがリラ売り材料となっている。
このように原因は1つではないが、リラ売り材料が重なり今年になって緩やかながらリラ安が続いている。アメリカとの関係改善は政権が態度を変えれば可能かもしれないが、他の要因はすぐには取り除けないものが多い。もともとリラは長期的に下落しやすい通貨でもあるが、この地合が続くとまたある日突然昨年8月のような暴落が起こるかもしれない。
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