2020年から21年にかけて、中銀による膨大な緩和と超低金利を背景としてアメリカの不動産価格はかつてないほど上昇した。しかし膨大な緩和も超低金利も終わりつつあるため、これまで上昇してきた不動産価格が下げに転じるのは必至と言える。
今週8日に興味深いアメリカの統計が出た。6月3日までの週のMBA住宅ローン申請指数が、前週比6.5%低下して2000年以来22年ぶりの低水準になったというのだ。
この統計は文字通り住宅ローン申請の件数を表わすもので、それが低下したのは住宅を買う人が減ったことを意味する。そして最近になり、アメリカの他の住宅関連指標も同様に悪化している。
5月24日には4月新築住宅販売件数が発表され、前月比で16.6%も減少して59万1000件だった。この統計が前月比16%も減少するのは異例のことだ。
米新築住宅販売件数は、2010年代には景気の回復とともに緩やかな上昇が続いてきた。2019年末時点では70万件ほどだったのだが、2020年春にパンデミック開始を受けてアメリカや他国が膨大な緩和を開始。さらに超低金利になったことで住宅ローン金利も下がり、住宅販売は大きく伸びて2020年8月や21年3月には100万件を超えた。
それが今年4月には急落。そして中古住宅販売件数の方も新築ほどではないが4月に減少した。
さらにアメリカの住宅価格を表わす指標にケース・シラー住宅価格指数というものがある。これは単純に全米の主要20都市(10都市のものもある)の住宅価格の変動を数字で表したもの。
この指標は2015~19年頃は前年同月比5%前後で安定していたのだが、金融緩和と超低金利を受けて2020年夏頃から急上昇。2021年6月から22年3月まで10ヶ月連続で20%前後の水準が続いてきた。なおこの統計は発表が遅いので、6月上旬現在でも最新の数字は2022年3月になる。
アメリカでサブプライムローンが広がり住宅バブルとなった2004~07年には新築住宅販売件数が140万件近くになった月もあったが、ケース・シラー住宅価格指数は最も高い月でも16%程度だった。それと比べて20%というのはやはり急激過ぎる上昇だ。
しかしアメリカではインフレが進行しすぎたため、今年になってFRBは急ピッチで緩和縮小から引き締めへと転換している。そのため住宅ローン金利も急上昇し、指標となる30年固定金利は昨年夏頃まで2%台だったが最近はすでに5%を超えた。
住宅ローン金利の上昇が、新築住宅販売件数やMBA住宅ローン申請指数の急低下につながっている。そしてアメリカは今後も利上げを続けるので、金利はさらに上がり住宅販売を圧迫するだろう。
それは過去数年極端に上がってきた不動産価格の下落につながる。不動産価格が急落すると景気後退につながりやすいのは、日本の1990年のバブル崩壊で多くの国が学んだ。だが現在のアメリカはインフレ抑制のために引き締めをしなくてはならず、不動産価格の下落から景気後退に陥る可能性は低くない。
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