パンデミック開始以降に各国が行った膨大な金融緩和により、ここ数年で米を初め多くの国で不動産価格が高騰した。そして緩和を止めて金利を引き上げても高止まりしており、来年以降に不動産価格が下落に転じる可能性が残る。
世界的に低金利だった2010年代は多くの国で不動産価格の上昇が続いた。そして2020年にパンデミックが始まると日米など多くの国はそれまで以上に金利を引き下げて膨大な量的緩和を行ったため、不動産価格の上昇が加速した。
膨大な緩和の副作用で2021年頃から世界的なインフレになり、翌22年には各国は急いで緩和を止めてインフレ抑制のために利上げを開始。主要国は軒並み政策金利を4~5%まで引き上げ、利上げの効果もあって今年になるとインフレは落ち着いてきた。
一方でパンデミック中に高騰した不動産価格も2023年になって上昇が落ち着いてきたが、下げずに高止まりしている国が少なからずある。
アメリカの住宅価格の指標にケース・シラー住宅価格指数がある。これは全米の主要20都市における住宅価格の変動を数字で表したもの。同指数は2010年代はほぼ一貫して前年同月比約5%増で安定していたが、2020年になり政府が膨大な緩和を開始すると急騰。2021年6月~22年5月の1年間は、毎月約20%の高い数字が続いた。
しかし2022年春頃からFRBがハイペースで利上げを行ったため、その後上昇率は低下し今年3~6月の4ヶ月間は1%程度の小さい幅ながらマイナスが続いた。そして7~9月はまた上昇している。
3~6月はマイナスとはいえ1%程度の小幅なので、今年に入ってからの不動産価格は下がっているのではなく高止まりしていると言える。そして現在の水準は相当割高なので、来年あたりに不動産価格が下げに転じる可能性が残る。
不動産価格が極端に高い水準に留まると社会的な問題になるケースがあり、そのような状況では政府が不動産価格抑制の政策を実施しなくてはいけなくなる。
日本は1980年代後半に株と不動産が高騰するバブルになり景気は良くなったが、不動産価格があまりに上がり過ぎて支障が出てきた。バブルの頂点では普通サイズの家が1億円を超えるようになり、「サラリーマンが家を持てない」との批判が高まって不動産価格抑制政策を実施せざるを得なくなったが、そこでバブルは崩壊した。
中国は1990年代から不動産価格が長期上昇してきたが、最近あまりに高くなり過ぎて中低所得層の若い夫婦が家を買えずに少子化の一因になっているという指摘が増えた。中国も日本と同じでここ数年出生数が激減している。そのため政府は不動産価格抑制策を実施し、地価は下がったが恒大集団や碧桂園など不動産企業の経営危機が発生。また不動産の下落のため中国経済全体がデフレに突入しつつある。
アメリカはまだ、日本や中国ほど少子化が深刻にはなっていない。また少子化になっても移民の国・アメリカは移民を多く入れるという解決手段がある。それでも住宅価格が極端に高い水準に留まると若い世代が家を買えず不満が溜まっていく。すでに平均的なサイズの家が100万ドル以上する地域がかなり多い。
政府としてはその状況を長期間放置できず、不動産価格抑制の政策を実施する可能性がある。あるいは政策がなくても極端に高くなった不動産価格は自然崩壊的に急落するリスクがある。
どのような形にせよ来年またはそれ以降にアメリカや他国の不動産価格が下げに転じ、そこから中国のようにデフレと景気後退に突入する可能性は残る。
この書類に含まれる素材はiFOREXではなく、独立した第3機関により作成されたもので、いかなる場合においても、直接的・間接的、明示的・暗示的にかかわらず、投資に対する助言や、金融商品に関する投資戦略の推奨、提案として解釈すべきものではありません。この書類に含まれる過去の実績や、それに基づくシミュレーションは将来の成果を保障するものではありません。
すべての免責事項はこちらをクリックしてご確認ください。
iFOREXは数百銘柄の通貨、仮想通貨、商品、指数、ETF、株式をCFD形式で取引することができます。
方法は簡単、3ステップでCFD取引を注文できます。
iFOREXに今日参加すれば、次の素晴らしい特典パッケージがあなたのものに
25年以上信頼されるサービスプロバイダー
iFOREXグループは業界で最も大きく尊敬される企業の一つです。1996年に成功した銀行家のグループにより設立され、世界中の人の毎日の市場へのアクセスが目標です。
3つの主な約束
私たちは、提供するグローバルな取引商品の多様性と、使用する革新的な技術、常に向上し続けるカスタマーサービスで、業界のリーダーであり続けます。