日本郵政グループ3社の公募価格が決定

著者鳥羽賢

2019年1月8日

11月4日に上場する予定になっている日本郵政グループ3社のIPO（新規公開株）の、公募価格が26日に全て決定した。全てブックビルディング価格の上限が公募価格になっており、人気と注目度の高さを裏付けている。

今年最大規模のIPOとなる

日本郵政グループ3社の株は11月4日に揃って上場することになっており、10月8日から上場前の公募に応募する投資家を募るブックビルディング（BB）が行われていた。3社の中でも一番規模が大きい日本郵政は23日まで、残り2社は16日までがBB期間だった。

BB期間中には仮条件価格が提示され、応募する投資家はその中から自分が購入したい金額の上限を提示する。しかし一部の不人気銘柄以外は仮条件の上限で申し込む投資家が売出株数より多いのが普通なので、多くの銘柄は上限価格がそのまま公募価格となる。

そして日本郵政グループ3社の株も、注目されているだけあって全て仮条件の上限で公募が決定した。かんぽ生命は仮条件1,900～2,200円だったのが公募価格2,200円。ゆうちょ銀行は仮条件1,250～1,450円で、公募価格1,450円。そして日本郵政は仮条件1,100～1,400円で、公募価格が1,400円に決定した。

公募価格が仮条件の上限で決まったなら、それなりに人気があるので上場初値が公募価格を割れる可能性は低い。逆に言えば、上限で決まらないようなIPOは不人気で公募価格を割れる可能性が高い。

ただし日本郵政グループ株が、公募価格の2倍以上という高い初値がつくことは考えにくい。そのような高い初値がつくIPOは、新興市場で売出株数が少ない銘柄であるケースが多い。株数が少ないので、そこに買いが殺到すると公募価格より遥かに高い初値がつく。

日本郵政グループの株は新興株とは違い、売出株数が極めて多い超大型IPOだ。大型のIPOは極端な高値はつきにくく、現実的なラインとしては公募価格の5～10％上で初値がつくのではないかと予想する声が多い。

そして日本郵政グループのような大型株は、長期保有にも向いている。特に配当利回りの高さは魅力で、かんぽ生命は2.5％、ゆうちょ銀行と日本郵政は3％程度の利回りになると見られている。これは株の配当利回りとしては高い方だ。そして当然のことだが、日本郵政グループの株なら倒産する確率は極めて低い。

市場では今日、日経225平均が19,000円を一時回復した。この堅調地合が来週まで続けば、11月4日もいい雰囲気で迎えられる。今年の国内株式市場最大のイベントが、あと9日先に迫っている。

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