新プロトコル「Runes」でビットコインがまた脚光

20日に半減期を迎えたビットコインだが、半減期と同時に新しいプロトコル「Runes」が立ち上げられた。Runesは仮想通貨の世界でかなり注目されており、Runesの立ち上げに伴いビットコイン手数料が過去最高にまで高騰するなどまたビットコインが注目されている。

手数料は過去最高の2倍に

　ビットコインは日本時間の4月20日午前9時頃に、4回目の半減期を通過した。半減期自体は以前から予想されていたことで、通過してもビットコインのレートに目立った反応はなかった。

　しかし今回の半減期を迎えると同時に、「Runes（ルーン）」という新しいプロトコルが立ち上げられこちらが注目されている。

　Runesとは一言で言うと、ビットコインのブロックチェーン上でトークンを生成するための仕組み。仮想通貨とトークンという2つの言葉は明確に区別されずに使われることも多い。だが両者の違いを改めて確認してみると、仮想通貨とはビットコインやイーサリアムのように独自のブロックチェーンを持つもの。それに対してトークンとは、既存の仮想通貨のブロックチェーン上で新たに発行されるデジタル資産のこと。

　Runesのようなビットコインのブロックチェーン上でトークンを発行することができるプロトコルは、これが初めてではない。BRC-20というビットコインのチェーン上でトークンを発行できる仕組みがすでに存在していたのだが、RunesはBRC-20を改良したものとしてリリースされた。

　またビットコインのブロックチェーンを利用したトークン生成のプロトコルとして「Ordinals（オーディナルズ）」という、NFT（Non-Fungible Token）を生成するための仕組みも2023年1月にリリースされた。

　2021年頃から世界で爆発的に普及したNFTは、当初はほとんどイーサリアムのブロックチェーン上で発行されていた。その現状を見たビットコイン開発の有志が、ビットコインのチェーン上でもNFTを発行できるようにと開発したのがOrdinalsだった。

　そしてRunesに話を戻すと、Runesが立ち上げられると仮想通貨関係者の中でかなり注目が高まった。そしてその影響としてビットコインの取引手数料が過去最高レベルまで高騰している。

　日本の仮想通貨取引所ではユーザーにわかりやすいように変動のない手数料体系が採用されているが、本来のビットコインの手数料は常に変動する。そしてこれまで2回の仮想通貨ブーム、2017年と21年時に手数料が高騰してどちらも一時60ドル前後をつけた。しかしRunesの立ち上げによって、4月20日は手数料が120ドル以上まで高騰して過去最高記録を2倍以上更新した！

　OrdinalsやRunesと次々と新しいプロトコルが立ち上げられていることから、ビットコインの仮想通貨の王座の地位はまだまだ揺るがないだろう。