急上昇続くビットコインはドル建て最高値が視野に

4月上旬にトランプ政権の相互関税発表を受けて株式や仮想通貨市場が暴落したが、その後は反発が続いている。仮想通貨市場では特にビットコインのパフォーマンスが際立っており、最近10万ドルを回復して最高値である11万ドルの更新も視野に入ってきた。

米ドル建ては最高値間近

　日本時間4月3日にトランプ大統領が発表した相互関税のため、4月上旬は株式や仮想通貨市場が暴落した。しかし暴落を見てトランプ大統領が関税の一部を90日停止としたことで、暴落は長続きせず市場は回復に向かった。

　仮想通貨市場も回復したが、その中でもビットコイン（BTC）のパフォーマンスが際立っている。4月上旬に一時1,100万円を割って1,000万円台をつけたビットコインは、4月中旬から急上昇して5月9日早朝までに1,500万円を回復した。この間、約1ヶ月の上昇率は約37％にもなる。

　また4月以降は円高が進行しているため、円建ての価格は米ドル建てに比べて上昇幅がやや抑えられている。米ドル建てで見ると4月上旬に7万5000ドルまで下落したビットコインはその後反発が続き、5月9日には10万4000ドルと節目の10万ドルを回復した。

　ビットコインの米ドル建て史上最高値は1月につけた11万ドルで、5月9日の時点で最高値まで残り6％未満と迫っている。1月当時の為替レートは1ドル＝157円付近だったので円建ての最高値は1,700万円であり、円建てでは5月9日につけた1,500万円からまだ13％ほど離れている。

　円高が進行した分米ドル建ての方が最高値により近づいており、今後近い将来に最高値を更新することも視野に入ってきた。

　ビットコインのパフォーマンスは他の主要仮想通貨と比べても高く、他の通貨で最高値更新が視野に入っているものは少ない。イーサリアム（ETH）を見ると5月9日に36万円まで戻ってきたが、最高値は63万円でまだまだ遠い。

　リップル（XRP）は今年1月に最高値の520円をつけた後は最高値更新がなく、5月9にようやく350円を回復した。ビルドアンドビルド（BNB）は昨年12月につけた12万円が最高値で、5月9日の水準は9万3000円とまだ30％近く離れている。

　ソラナ（SOL）は今年1月につけた最高値が4万6000円で5月9日現在は2万4000円とまだ2倍近い差がある。ドージコイン（DOGE）は2021年につけた80円が最高値で、5月9日の高値は31円で遥か遠い。

　円建てで比べてもビットコインは最高値まであと13％と迫っており、他の主要通貨より最高値更新に近い。今後最高値を更新する主要仮想通貨があるとしたら、ビットコインの可能性が一番高い。良くも悪くも、ビットコインの仮想通貨の王者としての地位は全く揺るがないようだ。